
2025年は昭和元年から数えて100年。時代を超えて愛され続ける名店の味を紹介します。今回は富士山を一望できるデッキを備えたレトロな喫茶店です。自慢の料理には店主が育てた小麦や野菜を使っています。
富士山の裾野に広がる街、静岡県富士宮市。昭和55年創業の喫茶店「土一揆」です。温もりのあるロッジ風の店はにぎわっています。創業当時から人気のミックスピザは自家製です。
<土一揆 土井清子さん>
「うちの畑で採れた小麦を粉にしたものです。ピザの生地にしています」
店主の土井清子さんは店がある山本地区では戦前、小麦の栽培が盛んだったと話します。
<清子さん>
Q.この小麦粉はいつ採れたもの?
「2024年ですね。2025年のものは、もう収穫は終わっています」
Q.畑で採れたものが食材になる?
「そうですね」
小麦粉は店で提供されるパンにも使っています。ピザの野菜も...。
<清子さん>
「タマネギは畑で作ったタマネギを使っています」
亡くなった義理の母が大切にしていた畑で野菜を作っています。
<清子さん>
「ジャガイモとかタマネギ、冬はレタスを作ります。今キャベツを作っています」
1年を通じて10種類ほどの野菜を育てています。8年前から米作りも始めました。
<客>
「きょうはナポリタン頂きました。昔ながらな感じで満足です」
アツアツの鉄板にナポリタンと目玉焼き、そして野菜サラダをのせた「鉄板ナポリタン」。もちろんサラダのキャベツは畑で作りました。
夫の彰さんです。静岡県富士宮市内で建設業を営んでいます。店は彰さんが仕事の合間を縫って1年がかりで建てました。自慢は店の裏手にあるデッキからの景色です。
<土井彰さん>
「あっちを見ると駿河湾、沼津が見えるんですよ。海抜0から3776の天辺まで一望できるロケーションは最高です」
四季折々の富士山を見ながら食事を楽しむことができます。
富士宮市内の老舗氷店の氷で作るかき氷。彰さんが薄く削れるように刃を研いで調整しています。
<蜂須賀恵さん(娘)>
Q.これは何ソース?
「ブルーベリーのソースです。ブルーベリージャムから作っています。市内の常連さんの家でとれたものです」
氷にブルーベリーソース、そしてまた氷。クリームをのせ、最後にブルーベリーを飾ります。酸味と甘みが冷たい氷にとても良く合います。
<清子さん>
「昔、子どもだった人が、子どもを連れてやってくる。すぐ声を掛けてくれて懐しんでくれる。やはりうれしいですね」
<彰さん>
「みんなの憩いの場所でありたい」
秋には近くのイチジク農園で採れたイチジクを使ったデザートや、畑で収穫したサツマイモを使ったデザートをメニューで出す予定だということです。