2025年は昭和元年から数えて100年目。昭和から愛され続ける名店の味を紹介します。今回は世代交代しながらも、昔からのスタイルを大切にしている喫茶店です。
JR清水駅から歩いて2分、喫茶店「羅比亜(ラビア)」(静岡市清水区)。1976年(昭和51)創業。レトロな雰囲気の店内でゆったりとした時間を過ごせます。2年前、父・清貴さんの後を継ぎ、娘の奈々子さんがオーナーになりました。
<山ノ下奈々子さん>
「(お客さんは)私が継ぐってなった時、カフェになっちゃうんじゃないかと心配していた。私は喫茶店を見ながら生まれ育っているので、形とスタイルはこのままで地元のものを入れながらやっていけたらなと」
昭和の時代から続く羅比亜の看板メニューが「カレードリア」。カレー専門店で修行した父・目崎清貴さんが50年間守り続けたスパイスの配合やレシピが受け継がれています。
<山ノ下奈々子さん>
「玉ねぎがとにかくふんだんに入っていて、静岡のものを使いたいということで『ふじのくにポーク』を使用し、それがほどけるほど煮込んで作っている」
仕上げに、厳選したオランダ産のモッツァレラチーズをのせ、こんがり焼きあげれば、できあがり。トロトロに仕上げた朝霧産の卵を絡めれば、スパイシーでコクのある味わいが口の中に広がります。
週に1回必ず食べにくるお客さんもいるそうです。
<山ノ下奈々子さん>
「こちらが創業当時から使っているアイスクラッシャーです」
羅比亜のアイスコーヒーに欠かせないというのがアイスクラッシャー。キューブ型の氷を上から入れて細かく砕くというシンプルな機械です。
<山ノ下奈々子さん>
「ネルドリップでかなり濃く入れてるが、クラッシュすることでみずみずしくなる。自慢のコーヒーには欠かせない。この相棒はやっぱりずっとお店に創業の日数分一緒に働いてくれていると思うので、本当に壊れずに使い続けてくれたら」
<目崎清貴さん>
「この通りでも喫茶店が7~8軒あった。僕がオープンした頃はすごかった。『コーヒーおいしいよ』なんて言われたら『もう料金いらないよ』って言いたくなっちゃう、こっちの気持ちとしては」
こちらも羅比亜の代名詞、種類豊富な「パフェ」。今の人気ナンバーワン「フルーツタワー」は、元パティシエの奈々子さんが厳選した旬のフルーツをカッティングにまでこだわり、たっぷりと盛り付けています。
「見た目とワクワク感。美しさとおいしさ。アイスの質、ジェラートの質にこだわっている。パフェって中を探っていくような、宝探しじゃないですけど。バニラアイスを1番下に置いて本当に底までおいしい」
今後は、ソーダの種類を充実させる予定で、季節に合わせた色とりどりのメニューを考えているということです。