「口コミから口コミで一番に」鉄板に乗った“裏切らない味“ ハンバーグ定食が人気のファミリーレストラン『ヤシ』(静岡・東伊豆町)【昭和100年愛されごはん】

2025年は昭和元年から数えて100年目。愛され続ける名店の味を紹介します。今回は静岡県東伊豆町にあるチャーハンやハンバーグが人気のファミリーストランです。

金色のキンメダイが出迎える港町・東伊豆町稲取。町のメイン通りにあるレストラン『ヤシ』。1967年(昭和42)にオープンし、レトロな店内で観光客だけでなく、地元の人も食事を楽しんでいます。

<客>
「うまいよ。裏切らない味だから」

この町には、ソウルフードと言われているものがあります。シンプルな卵チャーハンに醤油などで炒めた豚肉とキャベツをのせた「肉チャーハン」です。

<ファミリーレストラン『ヤシ』斉藤明美さん>
「見た目は結構ボリュームがあって、ちょっと濃いなって感じだが、マル秘で麺つゆを使っている。ですから、ちょっと和風な肉チャーハン」

『ヤシ』の肉チャーハンは、麺つゆを使ったあっさり味。具はキャベツのほかにシメジやエノキも入ったオリジナルです。

『ヤシ』には、この「肉チャーハン」を上回る人気メニューがあります。熱々の「ハンバーグ定食」です。

鉄板のプレートでの提供は、58年前のオープン当初から続けているスタイルです。ハンバーグと鉄板の組み合わせは、いまや多くの店で定番となっていますが、当時、地元では、とても珍しかったそうです。

<斉藤さん>
「あそこのお店に行けば鉄板。『わ~すごい』という、いつもだったら皿だけど、鉄板で出てくるって、口コミから口コミでいって、おかげさまで一番になった」

付け合わせは、サラダとスープではなく、味噌汁と冷ややっこの小鉢です。

<斉藤さん>
「ふと、ある人が『ちょっとオラみそ汁が食べてぇ、みそ汁の方がいい』。結局、うちは地元客がほとんどだったので、お客さんの提案で始めた」

あっさりとした和の副菜は、口直しにもってこいです。

『ヤシ』では3年前、向かいに今川焼の店を新たに開きました。今川焼を焼くのは、先代の古屋泰志さん。味はつぶあんとカスタードがメインです。町内の和菓子店が作った甘さ控えめの餡に、しっとりとした生地の今川焼は地元でも評判の味です。

<斉藤さん>
「うちのオーナーは地域の街おこしではないが、あまりに寂しいからって、このビルまで買って、それから街を盛り上げるために今川焼を始めた」

レストランがオープンした頃、町は多くの観光客でにぎわっていましたが、旅行のスタイルの変化などにより訪れる人は減少。シャッターを閉める店も増えました。

そこで、少しでも街に活気が出るように、明るくなるようにと願いを込めて、店には「一生懸命営業中」の札が出されています。

<ファミリーレストラン『ヤシ』古屋泰志さん>
「何とか一生懸命頑張ってやるという以外にはない」

多くの人に愛され、信頼されるファミリーレストラン。昭和から続く名店です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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