「これは仁科のソウルフード」命のタレで煮た“肉丼” 創業100年・河津屋食堂(静岡・西伊豆町)【昭和100年愛されごはん】

2024年は昭和元年から数えて100年目。愛され続ける名店の味を紹介します。今回はタレが命の肉丼です。創業100年を迎えた静岡県西伊豆町の食堂は、ファンの笑顔であふれています。

伊豆半島の西海岸に位置する港町。・西伊豆町。町役場から歩いて約1分、青い暖簾が目印の大衆食堂、『河津屋食堂』です。創業は大正15年、2025年、100年目を迎えました。店を切り盛りするのは、3代目の大矢次夫さんと4代目の孝徳さんです。

<河津屋食堂4代目 大矢孝徳さん>
「おすすめは肉丼。うちはもともと肉屋なのでこれが名物」

食堂で一番の人気メニューは「肉丼」。具はシンプル、玉ねぎと豚ロース。「うな丼」をヒントに甘めのタレで仕上げました。

店は、100年前に初代の店主が河津町から西伊豆町に移住して開きました。当初は精肉の卸なども営んでいて、肉丼の誕生につながりました。

<河津屋食堂3代目 大矢次夫さん>
「(肉丼の命は)この継ぎ足し継ぎ足しのタレ。戦前からあったという話なので、もう80年。砂糖や醤油など、肉のうまみが入っているのですぐには真似ができない」

豚肉は焼くのではなく、生のままタレに入れて、軽く煮るのが河津屋食堂のスタイル。時を重ねた秘伝のタレが肉に染み込みます。

<3代目次夫さん>
「昔は会議があるときには、お昼に肉丼とか、人が集まるときには、まず肉丼みたいな感じ」

メニューにも『仁科では、みんな肉丼食べて大きくなった』と書くほど地元から愛されています。

6月12日、創業100年を記念したイベントを開きました。この日のメニューは2品だけ、「肉丼・並」と「ラーメン」。感謝の気持ちを込めて値段は通常の半額です。午前11時のオープンから常連客らが訪れ、肉丼とラーメンを堪能してみんなで店を祝いました。

<常連客>
「(肉丼歴は)35年くらい経つかな、もっと行くかな、40年くらい。これは仁科のソウルフード」
Q. 100年目の味は?
「いつもと同じ。ちょっと量が少ない(笑)」

<客>
「おいしい。4代目が熱心に告知されていたので、顔を出したいなと思って」

常連客からお祝いの花も届けられました。

厨房に立つ3代目・次夫さんは、来てくれた人のために心を込めて腕を振るいます。

<3代目次夫さん>
「かつてのキャッチフレーズは『地元の料理番』。やはり地元でいろいろなことを引き受ける形で『料理番です』と言えるようにずっといたい」

<4代目孝徳さん>
Q. これからも続いていく?
「もちろん。100年でも200年でも続けたいと思うので、こういった大勢の人たちに支えられていると実感した」

客のなかには、肉丼とラーメンのセットを食べた後、もう1杯肉丼を頼む人もいるということです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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