
水深200メートル前後の岩礁域に生息する海水魚で、薄いオレンジの体色と、前から3本目の背びれの先端に黒斑が一つあることが和名の由来。釣りや底引き網での採集は可能だが、浮上する際の圧力変化に弱く、生きた状態での捕獲は全国的にも珍しいという。
4月中旬に同館の真野光晃館長(61)が駿河湾沖で展示生物の採集中に、全長約15センチの個体を偶然釣り上げた。同館によると、現在は餌付けに成功し、成育状態も良好という。今後はサギフエやアカイサキなどと同じ水槽で水温や水質に気を配り飼育・展示される。
繊細な生物のため、展示期間は未定。真野館長は「生きた状態で見学できる機会はめったにない。貴重な生態を是非見てほしい」と話す。