駿河湾で日本三大怪魚アカメ発見!

鉄崎:高知や宮崎にいるという「アカメ」が駿河湾で発見されたということですが、どういう経緯があったんでしょうか?
春日:5月9日に伊豆・三津シーパラダイス近くでシラス漁をしていた漁師さんの網に偶然かかっていたんです。その方は50年近く駿河湾で漁をされているんですが、アカメは初めて見た、ということでした。その方が伊豆・三津シーパラダイスに連絡をくださり、飼育員が引き取りに行ったという経緯です。
鉄崎: 春日さんご自身、伊豆・三津シーパラダイスでまさかアカメを飼育することになるとは思っていなかったでしょ?
春日:私は九州出身ですので、アカメという魚がいるというのは聞いていたんですが、まさか駿河湾でこんな大きなアカメ(全長70cmほど)が生きて見つかるというのはびっくりしました。
アカメってどんな魚?
春日:日本固有の大型魚で、大きいものでは1メートルを超える個体もいるといわれています。名前の通り、目が赤く見えるんです。光の加減でキラッと輝くような、なんともいえない不思議な目の色をしています。鉄崎:夜行性ですか?
春日:昼間は岩陰でじっとしていて、夜になるとバクバクと餌を食べるという感じです。イトウ、ビワコオオナマズとあわせて日本三大怪魚といわれています。この三種類に共通するのは、大きくなる魚で、生息する地域が限られているためなかなか釣るのも難しいということ。見た目で結構インパクトがあるので、「怪魚」にふさわしいと選ばれた三種類だと思います。
山﨑:食べられるんですか!?
春日:私は食べたことがないんですが、聞く話によると若い個体はおいしいらしいです。大きくなりすぎてしまうと、もしかしたら味が落ちてしまうかもしれません。
鉄崎:スズキ目で見た目もなんとなくスズキに似ているから、味も似ているんじゃないですかね。
春日:確かに知らない人はスズキだと思うかもしれません。でも顔が小さくて、体がマッスルで目が赤くて、魚好きからしたらときめく見た目をしています。
鉄崎:わかる!顔は小さいんだけど、突然体高が広くなるんですよね!そんな希少な魚を飼育しているって緊張しませんか?
春日:はい、嬉しさ半分、えらい魚が見つかってしまったとプレッシャーもあります。
鉄崎:アカメは絶滅危惧種にも指定されていますよね?
春日:保全活動のおかげで地域によっては数が戻ってきているようですが、まだ油断はできず大切にしなければいけないと絶滅危惧種に指定されています。
現在のアカメの様子は?
春日:すでに一般公開をしていますが、水槽の中で比較的落ち着いています。展示水槽には、もともとマアジの群れや大きなネコザメが泳いでいるのですが、そんなメンバーたちにも物怖じすることなく、早い段階から堂々とした様子で、まったく問題なく馴染んでくれました。アカメは神経質なところがあるとも聞いていましたが、「日本三大怪魚」の名にふさわしく、神秘的で威厳のある姿を私たちに見せてくれています。鉄崎:静岡では大変希少な魚ですから、ぜひ見たいという人も多いと思います。見た方の反応はどうですか?
春日:おそらく釣り好きな方なのか、カメラを持った若い男性で小一時間ずっと色々な角度からアカメの写真を撮っている方がいたり、家族連れも多く訪れています。
鉄崎:写真を撮る角度によって、目が赤くうつったりするんですか?
春日:やはり光が反射する加減のようなので、直接目にフラッシュを当てるのは控えてほしいところではありますが、なんとか上手く水槽の照明を利用すれば赤目に撮れるかと思います。
鉄崎:水族館でアカメを見ることができたら、子どもたちも嬉しいと思います。最後にメッセージをお願いします。
春日:伊豆・三津シーパラダイスにはアカメ以外にもイルカ、クラゲ、深海魚もいますし、キッズコーナーもありますので色々な楽しみ方ができます。ぜひ遊びにいらしてください。そして水族館を楽しんだあとは、外の海の様子も眺めてほしいです。
鉄崎:春日さん、ありがとうございました!
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■伊豆・三津シーパラダイス
住所:沼津市内浦長浜3-1
電話:055-943-2331
開館時間:9:00~17:00 ※最終入館16:00
※GW、夏期、年末年始などは営業時間を延長する場合があります。
休館日:無休 ※冬期にメンテナンス休館予定あり