社員用バスを新たな“地域の足”に 矢崎部品(牧之原)⇆JR菊川駅 回送時に住民無料利用

バスに乗り込む利用者たち=牧之原市布引原の矢崎部品ものづくりセンター 矢崎部品ものづくりセンター(牧之原市布引原)は4月から、JR菊川駅と同センター間を運行する社員用送迎バスを回送時に地域住民に無料で利用してもらう取り組みを始めた。隣接市でありながら牧之原、菊川両市を直接結ぶ公共交通が存在しなかった中、新たな“地域の足”として学生の通学などを支える。
 運行前後の回送時、空車となる大型バスに市民を乗せる。「矢崎アローライン」と名付け、朝は菊川駅行きの1便、夕方はセンター行きの2便を設けた。運行時間は約20分。
 牧之原市によると、静岡県西部の学校に通う中高生の乗車が多いという。4月から矢崎アローラインで牧之原市内から掛川西高に通学する吉国颯真さん(2年)は「これまでは自家用車の送迎で学校に行っていたのでありがたい。帰りは部活の終了時刻に合わせて乗る便を選んでいる」と話した。
 11日に同センターで行った出発式で木村和之センター長は「運転手不足などを受けて全国的に地域交通の空白化が課題になる中、問題解決に向けた一つのモデルになれば」と述べた。牧之原市の杉本基久雄市長は「CO2削減や経済効果にも期待したい」とあいさつした。
 定員は43人で、平日運行を基本とする。利用には会員登録が必要。

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