
県や市町、県バス協会などでつくる実行委員会が企画し、県内ほぼ全ての路線バスやコミュニティーバスが対象となった。小学生や保護者、乗務員らへのアンケートを通じてイベント効果を調べた。
バス事業者から報告を受けた期間中のバス利用者は計16万3436人。前週(11月30日~12月1日)の14万6105人、翌週(12月14~15日)の15万5154人から伸びた。このうち小学生は3821人で、前週の959人、翌週の893人に比べて増加が顕著だった。
主要駅と集客施設を結ぶ路線の乗降者数が伸び、バスを乗り継ぐ利用者もいた。保護者が同行したことで運送収入は前週比で約5%、翌週比で約3%増えた。
乗車した小学生に過去のバス利用の頻度を尋ねたところ、「いつも乗っている」は12・7%で、半数近くが3~5回以下だった。保護者も「年数日以下」「全く利用しない」が約7割を占めた。普段の外出手段は車が突出して多く、県は「車から公共交通への転換に寄与した」とみている。
次回もバス無料デーがあれば乗ってみたいと回答した小学生は65・1%で、高学年より低学年の方が割合が高かった。乗車した保護者の9割超が「満足」「やや満足」と回答した。
県によると、小学生を対象にした全県規模のバス無料デーの取り組みは全国で初めて。県東部のバス会社の担当者は「周知に課題もあったが、子どもたちにバスを身近に感じてもらうためにも乗車する機会をつくっていくことが重要」と話した。