
過去5年平均の年間被害は68件で、被害の増加が深刻だ。県内でも特に多発している富士署管内の富士市では、ことしに入ってから4月20日までに21件の被害を確認。昨年1年間の17件を早くも超えている。
同署によると、被害が多いのは夜間で、屋外に駐車中の車が狙われやすい。自動車内部の通信システムに侵入して解錠やエンジンを始動する手法は「CANインベーダー」と呼ばれ、鍵や窓を壊す手間がない。短時間での犯行が可能で、犯人が下見している可能性が高く、日中の不審者にも注意が必要という。
高級車を狙う窃盗グループは、複数県をまたいで広域で窃盗行為を重ねるケースが多いとされ、「匿名・流動型犯罪グループ」が関与している可能性もある。
県警生活安全企画課によると、愛車を守るためには防犯意識のアピールが重要。外から対策が視認できるハンドルやタイヤのロック、防犯カメラの設置などが有効という。同課の小林剛仁次席は「犯人が犯行を諦めるような予防策を講じてほしい」と呼びかける。