
警察官をかたる手口は96件の約4割。詐欺グループからは固定電話に加え、携帯電話にも最初の接触がある。警視庁だけでなく県内に実在する警察署の番号が表示される事例もあった。LINE(ライン)などSNSでの連絡を指示し、偽物の警察手帳や逮捕状などの画像を送りつけて信じ込ませる手口が大半。「捜査のため、資産を調べます」「〇〇の口座に振込送金して」などと要求して金銭を一つの口座にまとめさせる手法で、平均被害額が高くなる特徴があるという。
24日現在の特殊詐欺の被害件数は24年同期比72件増の136件、同7億1081万円増の7億9041万円。24年の1年間の被害総額(約16億円)は23年比8億円超の増加で、統計のある04年以降の最高額を記録しただけに対策は急務だ。
SNS型投資・ロマンス詐欺の1~3月の被害は24年同期比26件増の49件。額は同1億6千万円減の約5億2千万円。24日現在で発生63件、被害額6億8030万円まで増えている。
特殊詐欺では「受け子」が金を取りに来る古典的な手口の被害者層は60代以上とされてきたが、警察官がたりは50代以下が4割。SNS型投資・ロマンスの被害層も40~60代が中心だ。
警察庁は警察官がたりの具体的手口を伝えるチラシを作り、全国の警察と連携した啓発を始めた。県警は5月2、7の両日、官公庁や金融機関とともにJR静岡駅で配って注意を促す。同課の坂田幸隆課長は「警察がSNSで連絡を取ることはあり得ない。新たな手口にはスピード感を持って対策を講じていく」と話す。