
10月までの期間中に発生する全ての紙ごみを再生する。会場内全域の紙類を2日に1回のペースで回収。同市の本社工場に運び込んだ古紙は3日ほどでトイレ紙によみがえらせ、再び大阪へ戻す。
紙にアルミやプラスチックなど別の素材がくっついている難再生古紙は、紙の繊維が取り出しにくい。同社は古紙に薬品などを加え、12時間ほどふやかす独自技術で、紙以外の部分を取り除きやすくしている。従来は可燃ごみになっていた難再生古紙を資源に変え、二酸化炭素(CO2)排出量削減を実現する。
独自技術は約60年前に開発した。家庭紙メーカーとして後発の同社は創業当時、製紙業が盛んな富士市で原料確保に苦労した。他社が使っていない資源を活用しようと、新たな方法を生み出したという。
同様の取り組みは2020年の東京五輪でも実施したが、コロナ禍の影響でほぼ無観客となり、紙ごみの発生量は少なかった。佐野仁副社長は「さまざまな国や地域から多くの人が集う世界的イベント。絶好の機会に自社技術を広く周知したい」と話す。