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井上尚 TKO防衛 ボクシング・世界戦4試合

 ボクシングの世界戦4試合が6日、東京ドームで行われ、スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで統一王者の井上尚弥(大橋)は元世界王者のルイス・ネリ(メキシコ)を6回1分22秒TKOで下し、4団体の王座を防衛した。世界戦は通算22勝目で、歴代1位の井岡一翔(志成)に並んだ。

6回、ジェーソン・モロニー(左)を攻める武居由樹=東京ドーム
6回、ジェーソン・モロニー(左)を攻める武居由樹=東京ドーム
6回、石田匠(左)と対戦する井上拓真=東京ドーム
6回、石田匠(左)と対戦する井上拓真=東京ドーム
WBAフライ級タイトルマッチで判定勝ちし、初防衛を果たしたユーリ阿久井政悟=東京ドーム
WBAフライ級タイトルマッチで判定勝ちし、初防衛を果たしたユーリ阿久井政悟=東京ドーム
6回、ジェーソン・モロニー(左)を攻める武居由樹=東京ドーム
6回、石田匠(左)と対戦する井上拓真=東京ドーム
WBAフライ級タイトルマッチで判定勝ちし、初防衛を果たしたユーリ阿久井政悟=東京ドーム

 格闘技K-1で活躍した世界ボクシング機構(WBO)バンタム級5位の武居由樹(大橋)は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3-0で判定勝ちし、新王者となった。日本ボクシングコミッション(JBC)公認で日本のジムに所属する100人目の男子の世界王者。世界主要4団体のバンタム級王座は日本選手が独占した。
 世界ボクシング協会(WBA)フライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位の桑原拓(大橋)を3-0の判定で破り、初防衛に成功。WBAバンタム級王者の井上拓真(大橋)は同級1位の石田匠(井岡)に3-0の判定勝ちで2度目の防衛を果たした。
 戦績は井上尚が27戦全勝(24KO)、ネリが35勝(27KO)2敗。武居が9戦全勝(8KO)、モロニーが27勝(19KO)3敗。ユーリ阿久井が20勝(11KO)2敗1分け、桑原が13勝(8KO)2敗。井上拓が20勝(5KO)1敗、石田が34勝(17KO)4敗。
 東京ドームでのボクシング世界戦の興行は34年ぶりだった。
 (共同)

▽世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ12回戦
井上 尚弥(大橋)55・2キロ TKO 6回1分22秒 ルイス・ネリ(メキシコ)54・8キロ
 (共同)

 【評】井上尚の技術、精神力が凝縮された勝利。1回に左フックを浴びてダウンを喫したが、すかさず2回に左でダウンを奪い返す。半身とバックステップでネリの左を巧みに遠ざけ、スピードを生かした左右の多彩な強打を当てて主導権を握った。5回に左で2度目のダウンを奪い、6回に強烈な右で決着させた。
 ネリは強振後の防御が甘く、被弾が重なった。
 (共同)


プロ初ダウンも 強い姿 「重圧あった」  東京ドーム34年ぶりとなったボクシング世界戦興行で、これまでと変わらぬ強い姿を示した。スーパーバンタム級4団体統一王者としての初防衛戦で井上尚はプロ初ダウンを喫したものの、世界2階級制覇の実績があるネリを下し「すごいプレッシャーがあったが、皆さんの力が僕のパワーになった」と感謝を述べた。
 2018年3月、体重超過で闘う前から王座を剝奪されていたネリが、山中慎介をTKOで破ったバンタム級世界戦を両国国技館で観戦した。減量に失敗して非難が高まっていたネリが快勝し、山中はその試合を最後に引退。井上尚は複雑な思いだったという。今回の試合で敵討ちを望む声が上がったことには「今回闘うのは自分。過去の因縁は持ち込まないようにしたい」と割り切ってリングに集中した。
 今年は大橋ジムが設立30年。ジムの後輩3人も出場した世界戦4試合の興行を勝利で締めた。「夏と12月にも試合をこなしたい」と青写真を描く31歳の「モンスター」。今後も、日本人選手未到の地を進んでいく。
 (共同)

阿久井 WBAフライ級、井上拓 WBAバンタム級も ▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
 ユーリ阿久井政悟(倉敷守安) 50・7キロ 判 定 桑原  拓(大橋)50・7キロ
 (共同)

 【評】前に出て圧力をかけ続けたユーリ阿久井が主導権を握り、判定で快勝。積極的に動く相手に対して冷静に距離を詰め、コンパクトにジャブや右ストレートを当てた。上下の打ち分けもうまく、12回は左ボディーの有効打を当てた。
 桑原はフットワークを使いながら回転の速い連打で応戦したが、手数の割にダメージを与えきれなかった。
 (共同)


今日は僕の日  ユーリ阿久井政悟の話 勝ててほっとしている。相手も強くなっていたが、今日は僕の日だった。これからも無心で練習して、強くなっていくだけ。
 (共同)

▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
井上 拓真(大橋)53・4キロ 判 定 石田  匠(井岡)53・4キロ
 (共同)

 【評】井上拓がスピードやパンチの豊富さで上回り、判定勝ちした。1回にカウンターをもらってダウンを奪われたが、その後は間合いを自在に操り、短いアッパーやフックを連発。防御でも小刻みな動きで的を絞らせなかった。
 石田はリーチを生かしたジャブに活路を探ったが接近戦で分が悪かった。終盤は打ち合い、及ばなかった。
 (共同)


収穫は勝利だけ  井上拓真の話 唯一の収穫は勝てたことだけ。この内容じゃ統一戦とか言っていられない。課題をクリアして強いチャンピオンになりたい。
 (時事)

武居 WBOバンタム級 新王者 ▽WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
武居 由樹(大橋)53・4キロ 判 定 ジェーソン・モロニ―(豪州)53・4キロ
 (共同)

 【評】サウスポーの武居が手数で圧倒し、判定勝ち。2回にローブローの反則で減点されたものの、右ジャブ、左のボディーブローを軸に優位に進めた。ガードの上からも強打をたたき込み、6回には左右の連打で相手をぐらつかせた。
 モロニーは相手のスピードに対応が遅れた。12回に猛攻でダウン寸前に追い込んだが、劣勢を挽回できなかった。
 (共同)


力出し切って判定勝ち  試合終了のゴングを聞くと、武居は背中から倒れ込むようにロープにもたれかかった。力を出し切り、世界初挑戦で判定勝ち。日本ジム所属の100人目の男子世界王者という節目のベルトを手にした27歳のサウスポーは「(東京都)足立区から来た武居が東京ドームでチャンピオンになりました」と誇った。
 格闘技のK-1で世界王者となり、ボクシングでも白星街道で世界戦にたどり着いた。百戦錬磨の王者モロニーに対し、2回にローブローで減点を受けたが、左ボディーブローや右の強打で優勢に試合を進めた。後半は前に出てきた相手に苦戦。12回は打ち合いで連打を食らい、ダウン寸前に追い込まれた。3-0の内容にも、最後は薄氷の勝利で「モロニー選手が強いのは分かっていたので、必死に練習し、強くなれた」とかみしめた。
 (共同)
 

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