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論説委員しずおか文化談話室

「成瀬は天下を取りにいく」聖地巡礼スタンプラリーに記者が挑戦!その成果はいかに?(滋賀県主催編)

富士市出身の宮島未奈さんが書いた「成瀬は天下を取りにいく」は2023年12月に「第11回静岡書店大賞」、2024年4月に「2024年本屋大賞」に輝いた。続編の「成瀬は信じた道をいく」を合わせた2冊の販売累計は80万部を突破。近年まれに見るベストセラーとなっている。

滋賀県は、小説に出てくるスポットを巡る「この春を成瀬に捧げるスタンプラリー」を4月から6月30日まで実施。全国から3225人が参加した。

想定以上の人気ぶりを受け、同県は7月4日、第2弾「成瀬と天下を取りにいくスタンプラリー」を開始。2025年3月末までの実施を決めた。

スタンプスポットは全13カ所。小説の場面を思い浮かべながら、真夏日の大津市を歩き回り、スタンプ集めに挑戦した。(文・写真=論説委員・橋爪充)

JR膳所駅、京阪膳所駅周辺

まずは「まちのコインアプリ」をスマートフォンにダウンロード。各地のスポットにあるQRコードを読み込むことで、スタンプを得る。

JR膳所駅の改札口があるコンコースを歩くと、成瀬あかりと島崎みゆきの巨大な〝壁画〟に出くわす。二人による漫才コンビ「ゼゼカラ」の決まり文句「膳所から世界へ!」をもじったキャッチフレーズ「世界から膳所へ!」がニクい。
成瀬がパトロールしている「ときめき坂」を下ると、彼女が2020年の夏をささげた西武大津店の跡地に出る。15階建ての壮麗なマンションに圧倒される。モデルルーム前の掲示によると、契約者には宮島さんのサイン本がプレゼントされるそうだ。

成瀬と島崎が漫才を練習していた公園は改修中。重機が入っていた

西武大津店跡地に建つ大規模マンションの案内看板

マンション近隣の「びっくりドンキー大津店」もスタンプスポット

フレンドマート大津テラス店

「フレンドマート大津テラス店」は、作中で成瀬がアルバイトする「平和堂フレンドマート大津打出浜店」のモデルとなったスーパー。成瀬の店舗制服姿の等身大パネルが飾られる。実際の制服、エプロンを借りて写真撮影もできるそうだ。
ファンの声を集めたパネルがあり、北は北海道から南は沖縄まで、全国から広く集客していることが分かる。沼津市や富士市のファンがメッセージを残していた。

大津港と遊覧船「ミシガン」

成瀬が年に2、3回乗る「ミシガン」は米国仕様のデザインが特徴の琵琶湖遊覧船。乗り場近くには「成瀬」シリーズの躍進を祝う展示コーナーが設けられていた。

隣接する「湖の駅浜大津」内にある「おいしや」では近江牛コロッケを賞味。サクサクとクリーミーがバランス良く味わえる。近江米を炊いたご飯が非常に美味だった。

滋賀市民センター、近江勧学館

成瀬も参加した「全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」の会場。近江勧学館は、映画「ちはやふる」の撮影も行われた場所。主演広瀬すずさん(静岡市出身)と宮島さんのサインが同じ空間に存在するのが、妙にうれしかった。
13スポットのスタンプを全て集めた「コンプリート」の賞品はオリジナルのしおり1枚。フレンドマート大津テラス店のサービスカウンターか、滋賀県庁市町振興課で引き換える。


<DATA>
■滋賀県総務部 市町振興課
電話番号:077-528-3231
メールアドレス:bh00@pref.shiga.lg.jp

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静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。

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