スマートフォンのアプリを使って防災スポットを巡るスタンプラリーが静岡県沼津市で開催されています。楽しみながら防災についての知識を増やしてもらう取り組みです。
<下田支局 柴田寛人記者>
「この『避難場所第四小学校』。これが防災スポット」
男性が楽しんでいるのは「ピクトレ」というスマートフォンのゲームアプリです。3月8日から、沼津市内で防災スポットを巡るスタンプラリーが始まりました。津波避難タワー、消防団の詰所、消火栓など、約200か所が防災スポットに指定され、写真を撮ると特典があります。
<利用者>
「はい、撮りました。で、これが撮ったやつで、これでOKなので、送信を押します」
「今回は240コインですね」
アプリで貯まったコインはギフト券などに交換できます。
<利用者>
「自分が住んでいる土地ではないんですけど、すごく勉強になりつつ、楽しかったです。(地元に戻ったら)自分の家から一番近い避難場所を覚えておこうかな、調べようかなと思いました」
このゲームは、東京電力の子会社がアプリの開発元と共に電柱を撮影してもらうことで点検に役立てようと始めたものです。人気アニメとコラボするなどして地域の活性化にも役立つことから沼津市が協力。今回、防災の分野にも幅が広がりました。
東京から訪れた30歳男性は大型水門「びゅうお」も撮影しました。
<利用者>
「お金もかからず、誰にもできるので、ここに住んでいる人には散歩のついでにちょっとやってみるとか」
アプリの目的は「防災スポットの位置を知ること」や「日常的に防災に触れること」だけではありません。
<テプコ・ソリューション・アドバンス沼尻剛常務執行役員>
「家族とか、友達に(防災スポットを)伝えていくことで、地域の防災の強化に広がりを見せる。最後にですね、自分の地域から出て、観光客としていろんなところで(防災の知識を)広げていく」
さらに、3月22日からアプリの中で防災クイズが始まりました。災害時に確保しておくべき飲料水の量は、1人あたり1日にどのくらいが目安でしょうか?
正解は、3リットル。このようなクイズが100問以上用意され、楽しみながら学べます。協力する沼津市は防災への意識が高まると期待しています。
<沼津市危機管理課 望月圭主事>
「自分自身が住んでいる場所にどのような災害のリスクがあるのか、ということを調べていただく、気にしていただく。そして、そのリスクに対して適切な対応をしていただきたい」
このアプリは沼津市内では4月27日まで利用できます。
沼津市の担当者は、アプリを通して災害のリスクを知ることで、水や食料の備蓄や避難経路、家族との連絡手段の確認など、防災対策を進めてほしいと話していました。