
【宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」】 「シーチキン」と「ライトツナ」

前作同様、語り手を変えての全5編。主人公成瀬あかりに匹敵するこじれたキャラクター呉間言実が登場する第3編「やめたいクレーマー」が抱腹絶倒で、この作品集のピークだろうと確信したが、続く「コンビーフはうまい」「探さないでください」はそれを次々超えてくる。「けん玉」「琵琶湖遊覧船ミシガン」といった前作のパーツが巧みに織り込まれるのもうれしい。「シーチキン」「ライトツナ」への言及は宮島さんなりの「静岡愛」か。(は)
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