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静岡新聞教育文化部

【宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」】 「シーチキン」と「ライトツナ」

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、1月下旬から書店に並んでいる宮島未奈さん(富士市出身)の「成瀬は信じた道をいく」(新潮社)。累計14万部超のベストセラー「成瀬は天下を取りにいく」(同)の続編。

前作同様、語り手を変えての全5編。主人公成瀬あかりに匹敵するこじれたキャラクター呉間言実が登場する第3編「やめたいクレーマー」が抱腹絶倒で、この作品集のピークだろうと確信したが、続く「コンビーフはうまい」「探さないでください」はそれを次々超えてくる。「けん玉」「琵琶湖遊覧船ミシガン」といった前作のパーツが巧みに織り込まれるのもうれしい。「シーチキン」「ライトツナ」への言及は宮島さんなりの「静岡愛」か。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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