駿府城の東御門と巽櫓を訪ねる
語り:春風亭昇太
平成の時代に駿府城公園に復元された東御門と巽櫓。純木造入母屋造りの城郭建築として、寛永15年(1638年)当時の姿が再現されています。
東御門は、主に重臣たちが使用する、駿府城の重要な出入り口でした。二ノ丸堀に架かる東御門橋を渡り、高麗門をくぐると、右に櫓門、正面と左には多門櫓が配置された桝形門。要所に石落とし、鉄砲狭間、矢狭間などがある強固な守りの桝形門は戦国時代の面影を残す実戦的な造りになっています。
東御門は、その前が安藤帯刀(あんどうたてわき)の屋敷であったことから、「帯刀前御門」とも、台所奉行であった松下浄慶にちなんで「浄慶御門」とも呼ばれていたと言います。巽櫓は十二支であらわした辰巳の方角に位置する事からその名が付けられました。櫓は戦の際の重要な拠点となり、見張りや、敵への攻撃、武器の保管などの役割を担っていました。
一旦焼失した後、寛永15年(1638年)に再建され、その巽櫓が、幕末近くまで残っていたと当時の絵図から推察されますが、安政元年(1854年)の安政地震で全壊してしまったようです。L字型に造られた大きな建物であるこの櫓は、全国の櫓建築のなかでも珍しく、駿府城の防御の要のひとつとなっていました。現在、復元された東御門と巽櫓では、今川家の時代から今に至るまでの駿府城の歴史を物語る展示を見ることが出来ます。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)