登呂遺跡の発見のお噺し

2022年10月2日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、登呂遺跡の発見のお噺しです。
語り:春風亭昇太

静岡市駿河区登呂。ここで発見された登呂遺跡は、「学術上の価値が特に高く、我が国文化の象徴たるもの」として国の特別史跡に指定されています。公園となったこの場所には、当時の住居や施設が復元され、弥生時代にタイムスリップしたかのような景色が広がっています。

登呂遺跡が発見されたのは、第2次世界大戦さなかの昭和18年。この地に軍需工場を建設しようとした時のことでした。

土器や木製品が発見され、遺跡の存在は確認されましたが、戦時中であった当時は、簡単な調査しかされませんでした。

終戦後、昭和22年から始まった本格的な発掘調査には、考古学をはじめ、地質、建築、農業、植物など各分野の優秀な学者が集まり、地元市民も発掘作業に参加して、地域全体を巻き込んだ一大プロジェクトとなりました。

調査の結果、住居や高床式倉庫、そして8ヘクタールにおよぶ水田の跡が発見され、弥生時代後期の 「ムラ」の姿が明らかになりました。

この時代に、日本に稲作文化が広まっていたことが初めて証明され、この発見は戦後の考古学発展の先駆けとなりました。発掘調査の出土品775 点は重要文化財に指定され、出土した銅鐸(どうたく)や土器に描かれていた絵をもとに復元住居が作られました。

整備された登呂遺跡は、市民の憩いの場となって、私たちの祖先の暮らしを今に伝えています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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