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静岡新聞教育文化部

【静岡県立美術館の講演会「天地耕作を開袋/解体する」】「天地耕作」の先駆性とは

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市駿河区の静岡県立美術館で2月18日に行われた金沢美術工芸大講師の山本浩貴さんを招いた講演会「天地耕作を開袋/解体する」。同館で開催中の「天地耕作 初源への道行き」展の関連企画。山本さんは「現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル」(中公新書)、「ポスト人新世の芸術」(美術出版社)などの著書で知られる気鋭の文化研究者。展覧会は3月27日まで。

「天地耕作」を美術史で語る講演。実に刺激的。山本さんは、西欧男性が「中心」であることが自明視されてきた美術研究を問い直す近年の動きを紹介。「中心が複数化することを望む」と自身の立場を明示し、「天地耕作」を「現在の光に照らされることで、過去の営みの重要性、先駆性が見えてくる」と評価した。作品、美術館、展覧会といった概念に疑義を呈した彼らが「それでも美術を手放そうとはしなかった」との指摘は、目から鱗。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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