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静岡新聞教育文化部

【静岡県立美術館の静岡県水彩画協会展】酒蔵に流れる時間を1枚に盛り込む

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡県立美術館(静岡市駿河区)で27日まで開かれている、第72回静岡県水彩画協会展。

県水彩画協会賞の岡本雪江さん「酒造所の春」は、掛川市の酒蔵が舞台。光を浴びた満開の桜と、玄関先の枯れた杉玉の対比が見事。器具を洗浄する蔵人。春。酒造りは終わりが近い。永井次雄さん「廃業の建家」は、古ぼけた倉庫やアパートを裏通りから活写。荒々しく素早い筆致に佐伯祐三を見た。増田明さん「稔り」に感涙。背中を向けて稲刈りに勤しむ老夫婦。幾度となく両者で繰り返してきただろう作業の連続性、その充実が伝わる。

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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