
【県立美術館の収蔵品展「版画でひもとく聖書と神話」】ヨセフの甲斐甲斐しさたるや

聖書とギリシャ神話が主題の版画が60点。天地創造、出エジプト、キリスト受難など、著名な物語をデューラーらの作品でたどる。最大ボリュームのティエポロ(1727~1804)「エジプトへの逃避」は全24枚。生誕直後のイエスと母マリア、父ヨセフがエジプトにたどり着くまでを描く。輝きを放つ聖母子とともに、ヨセフの甲斐甲斐しさに注目。重たそうな籠を背負って歩き、母子が棕櫚の木の下で休む際もロバの世話にいそしむ。滅私の姿に胸打たれる。(は)
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