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静岡新聞教育文化部

【静岡市立芹沢銈介美術館の「染色家の絵心」展】痛快な静物画

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区の芹沢銈介美術館で4月2日に開幕した「染色家の絵心 芹沢銈介の肉筆画」展。6月16日まで。
「型絵染」の人間国宝、芹沢銈介(1895~1984年)の画家としての側面を見つめる。東京高等工業学校卒業後、写生に打ち込んだ時期は、広告や包装紙の裏にまで描いている。積んだ本、ランプ、軒につるした藁蓑。輪郭線のかすれや色のにじみも、まるで計算されてそこにあるかのよう。1965年ごろに描いた「茄子といんげん」「ほおずき」も考え込まず、思い切って太い線を走らせている。静物なのに「痛快」の一言が浮かぶ。(は)

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