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SBSテレビ 静岡市歴史めぐりまち噺し

清水港とお茶の輸出のお噺し

2022年9月4日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」は、清水港とお茶の輸出のお噺しです。
語り:春風亭昇太

幕末、開国した日本にとって、お茶は重要な輸出品でした。

静岡のお茶は横浜港から輸出されていましたが、輸送費がかかることから、清水港開港の嘆願書が出されていました。明治32年、ようやく開港が認められ、清水港からアメリカに向けてお茶の輸出が始まりました。

輸出用の茶箱には、「蘭字」と呼ばれるラベルが貼られていました。蘭字には、当時の日本の浮世絵技術が生かされており、商品価値を高めるために制作された魅力的なデザインが多数残されています。英語だけでなく、フランス語やアラビア語の文字も見られ、静岡のお茶がアメリカからヨーロッパ、中東、アフリカにも輸出されていたことがうかがえます。

開港した清水港がそののち国内最大の木材陸揚げ港として発展する上で重要な役割を果たしたのが、テルファーと呼ばれた鉄道施設でした。昭和59年まで、清水駅から港へ繋がる国鉄清水港線が走っており、この場所に「清水港駅」がありました。昭和3年に設置された清水港テルファーは、港に運ばれた木材を船から吊り上げ、レールで移動して貨物列車におろしていました。

一車両分の積み込みに1日かかっていた作業が、テルファーによって、1時間もかからずにできるようになったといわれています。昭和46年にその役割を終えた清水港テルファーは国の登録有形文化財として、その姿を残しています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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