清水灯台と甲飛予科練のお噺し

2022年8月28日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」は、清水灯台と甲飛予科練のお噺しです。
語り:春風亭昇太

駿河湾に突き出た 三保半島。世界文化遺産富士山の構成資産である「三保松原」の一角に、白く映える、清水灯台があります。

地元では「三保灯台」と呼ばれるこの灯台は、明治45年に設置された、日本ではじめての鉄筋コンクリート造りの灯台です。以来、100年以上にわたって、建設当時の姿そのままに、清水港の安全を守ってきました。

てっぺんの風見鶏は 、三保松原の「羽衣伝説」にちなんで、天女をモチーフにデザインされています。今も現役であかりを灯し続けているこの灯台は、その歴史的な価値が認められ、重要文化財に指定されることになりました。

三保には戦争の記憶を伝える場所も残されています。清水灯台近くにある鳩を胸に抱えた青年の姿を象った「甲飛予科練之像」。三保の清水海軍航空隊では、志願した15歳から20歳未満の多くの若者たちが予科練習生として、厳しい訓練を続けていましたが、彼らは航空機に乗ることなく、終戦を迎えました。

コンクリートでできた、この頑丈な倉庫は、水上特攻のための船「震洋」を格納するために造られたもので、予科練の若者たちは、この格納庫の建設にも従事していました。「震洋」はアメリカ軍の日本本土上陸作戦を想定して準備された特攻艇で、ベニヤ板でできたモーターボートに爆薬を積んだものでした。清水海軍航空隊での訓練も、空から水上、水中特攻へと変わっていきましたが、「震洋」が三保から出撃することはありませんでした。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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