【新型コロナとインフルのダブル警報】5類移行後、生活は戻りつつあったけれど…ここに来て感染症が増加。コロナ禍にやっていた対策を思い出そう!
(橋本)静岡県は新型コロナウイルスの感染拡大警報を発表しました。同警報の発令は昨年9月29日の解除以来4カ月ぶりです。インフルエンザの警報も継続中で、同時期に重複したことは過去にないといいます。
(山田)県内、新型コロナとインフルのダブル警報ということです。
(橋本)昨年5月に、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけがそれまでの2類からインフルエンザと同じ5類へと移行しました。コロナ禍では行動制限がいろいろとかかって生活の不便があったと思いますが、それも解除され、コロナ前の生活に戻りつつあるかなという状況です。
街を歩いていると、マスクをしている方もたくさんいますが、していない方も以前に比べるとずっと増えています。店などの入口に必ず置いてあった消毒液も、撤去されているところが多くなっていると感じます。
ただ、新型コロナという感染症自体が消えてしまったわけではありません。最近、周囲に感染してお休みされたという方が増えてるんじゃないかと思います。インフルエンザと同じで、ある程度感染するのはもう仕方ないと思うんですが、感染力の強い病気ですから、あまり患者が増えすぎると、いろいろと弊害が出てきます。
心配なのは、医療機関になかなかかかれなくなったり、もっと他の、命に関わるような病気の方の診療に影響が出てしまうというようなことがあったりすることです。そうならないよう感染拡大警報を出して注意を促すのが警報の狙いということになります。
インフルは今年度初めから流行継続
(山田)今回はダブル警報ということですが。(橋本)インフルエンザも流行っています。インフルエンザは、普通の感覚だと冬に患者が増えるという感じだと思うんですが、今年度初めからずっとインフルエンザが流行しているような状況です。
(山田)昨年の4月以降ですか。
(橋本)コロナ禍で、皆さんがおそらく外出や人との接触を控えたり、手洗いやマスク着用の感染対策をしっかりしたりしていたので、コロナにもインフルエンザにもかからないという状況が長かったんです。そうすると、免疫もつかないですよね。
一挙に普通の生活に戻りつつある中で、インフルエンザも流行っていて、なかなか患者さんが減らない状況が続いてるということです。
(山田)免疫がないから感染しやすくなっているし、感染した後も、体調を崩しやすくなってるんですね。
(橋本)インフルエンザの方も基準が定めてあり、昨年の11月にそれを超えたため警報が出たんですが、まだ患者さんが減らないため、県がインフルエンザの警報を出したままの状態でした。それで、コロナとインフルエンザの両方の警報が出たという状況になっています。
(山田)例年だとインフルエンザはどれぐらいの時期に流行してました?
(橋本)11月ぐらいにワクチンを打つ方が多いと思うんですよね。そうすれば流行期に間に合いますよという感じだったので、12月、1月、2月が感染者の多い時期なんじゃないかと思います。
(山田)本来ならそろそろ減ってきてもいいという時期ですが、引き続き感染防止対策していかなきゃいけないという現状ですよね。
(橋本)コロナ禍のときにやっていた対策をもう一度思い出して、やっていただくのがいいんじゃないかと思います。少しでも体調に違和感、特に喉とか鼻に異変があったらマスクをできるだけする。発熱や咳などの症状が出たら、思い切って学校や仕事を休んで療養する。あとは、手洗いの徹底ですね。
インフルエンザも新型コロナも飛沫感染が多いので、人が集まるところではマスクをしたり、換気に気をつけたりというようなことが大事かと思います。
(山田)それは3年間、やってきましたからね。ようやく、解き放たれた感じがありましたけども。そのときのことを思い出してということですかね。
医療逼迫を起こさないためには…
(山田)以前のように医療逼迫のような状況はまた、起こりうるんですか。
(橋本)2月5日に県庁の担当課にお話を聞いたところ、感染者が増えたことによって患者が多くなり、通常の診療に支障が出ている医療機関も少しずつ増えてきてるということでした。
(山田)そうなってしまうと一番怖いですから、そこを警報で抑えるということですね。
(橋本)冬は、循環器系の病気とかも多くなりますね。新型コロナとかインフルエンザの方が多くなると、そちらの診療にも影響が出るということがあります。全体の患者数が増えると、当然病院に行ったり、入院したりする方も増えますので、他の診療にも影響が出ないように何とかここで流行を抑えていきたいということだと思います。
県内でも新型コロナで重篤になるケースはもう少なくなってきていると思うんですが、県の担当者の話では、それでも酸素吸入が必要な中等症以上の方が700人ほど県内で入院されてるということです。ただその多くは、他の病気も持っていて新型コロナにもかかってしまった方だということでしたので、特に高齢者の方や基礎疾患がある方は侮らないで気をつけていただきたいなと思います。
(山田)あと、若い方はどうでしょうかね。
(橋本)医療逼迫が心配されているので、若くて基礎疾患もなく症状が軽い方は、基本的には「熱を下げたり咳を止めたりする市販薬を飲みつつ、できるだけ自宅で療養してください」というのが県の呼びかけです。
また、中には、事業所や学校で、「診断書を提出してください」とか、「病院で検査してもらって検査結果を出しなさい」と指示を出しているようなところもあるらしいんです。そうすると、症状が軽いので病院に行かなくてもいい程度でも、それを取るために診療所に行くという方も出てきます。それが医療の逼迫に繋がる可能性があります。
そうした対応は、できるだけこの蔓延している時期には控えてくださいということも、県は呼びかけています。もしそういう対応をしている事業所などがあれば、ちょっと対応を変えていただけたらなと思います。
(山田)「提出書類がなくてもいいよ」という状況を作ることなどが必要になってくるわけですね。社会全体でこのダブル警報をちゃんと受け止めて押さえていかないと。
(橋本)「ダブル警報」というちょっとショッキングな見出しがつくような事態になってしまいましたが、われわれは対応の仕方を知っているので、それをきっかけに少し前の状況に戻し、この流行状況を少しでも改善させることを心がけていただけたらなと思います。
(山田)3年間、このコロナと戦って学んできて、5月ぐらいから解放されましたが、ちょっとまたみんなでいったん気を引き締めようという時期ですね。今日の勉強はこれでおしまい!
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