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【2024年は選挙イヤー】台湾、ロシア、アメリカ…世界各国で選挙が。大国の情勢は日本にも影響!押さえておきたい1年の予定を紹介!

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「2024年は選挙イヤー」。先生役は静岡新聞論説委員長橋本和之です。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」 2024年1月9日放送)

(山田)世界各国で、今年は選挙が多く行われる「歴史的な選挙イヤー」ということですが。

(橋本)2024年は、特に大国の大きな選挙が予定されています。昨年大晦日の静岡新聞に、これについての記事が載りました。米シンクタンク「アメリカ進歩センター」によると、50カ国・地域の計20億人超の有権者が投票所に足を運ぶということです。この話題は私も元日のコラムに書いたり、静岡新聞のオピニオン欄で、ニューヨーク大名誉教授の佐藤隆三先生や東大名誉教授の伊藤元重先生も取り上げていたので、年の初めに1年を俯瞰する意味で取り上げてみたいと思います。

(山田)当然、各国の選挙の結果というのは、日本にも影響することになるんですよね。

(橋本)そこが今日の話の終着点です。

今月13日には台湾総統選

(橋本)まずは13日が、台湾の総統選挙の投票日になります。独立志向で対米重視とされている与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統と、対中融和路線でアメリカよりも近くの中国を重視しようという最大野党国民党の侯友宜新北市長、それから台湾民衆党の柯文哲前台北市長。この三つ巴の選挙となっていて、頼さんがリードし、候さんが2番手で逆転を狙っています。柯さんはもう3番手でちょっと目がないという状況なので、候さんはその支持者を取り込もうという戦略を取っているということです。

(山田)やっぱり台湾的には、中国との関わりがポイントなんですか。

(橋本)中国重視で、中国と仲良くする路線にした方がいいのか、アメリカ重視で行くのか。今、米中の対立が深刻化していますね。そういう状況の中で民進党候補者を選べば「中国よりも米国とやっていく方がいい」という路線の選択ということになる。どちらの候補が選ばれるかで、大きく国の方針が変わりますね。

そのあたりは、特に中国がすごく関心を持っています。友好的な国民党が政権を取った方が中国的には安全保障上も有利だということで、選挙に介入するようなことをしているとも伝わってきています。

3月のロシア大統領選はプーチン氏再選か

(橋本)ウクライナ侵攻で大変なことになっていますが、ロシアの大統領選挙が3月17日に行われます。
現職のプーチン大統領は1度、首相に変わっているので、通算になりますが、5期目となります。昨年12月に出馬表明をしていて再選が確実だろうと言われています。

(山田)再選確実ですか。これ、対抗馬って出てきてるんですか。

(橋本)野党系の、ウクライナ侵攻にも反対している候補者が出るかもしれないという状況ではあります。ただ、選挙がちゃんと公正に行われているかということがありますし、もう一つは国内でとても情報統制をしているので、プーチンさんの支持は批判があってもまだまだ高いんです。そうした理由から、当選するという見方が強いということですね。

バイデン氏とトランプ氏の再対決!

(橋本)そして2024年で最も注目される選挙は、11月5日のアメリカの大統領選です。今のところ現職のバイデンさんと、返り咲きを狙うトランプさんの再対決。前回と同じ顔ぶれですね。

(山田)トランプさんが返り咲くということはありうるんですか。

(橋本)まだちょっと先が長く、不確定要素も多いので、はっきりは言えないですが、その可能性もあると言われています。最近の世論調査では、昨年の10月ぐらいからはバイデンさんよりもトランプさんの方が支持率が高いそうです。拮抗していたけど、トランプさんが抜いたような形になっているということですね。

(山田)トランプさんが返り咲きになったら?

(橋本)トランプさんの場合、辞めたときの事を考えると、いろいろ政策も大きく変えるだろうし、どう変わるかということも今の時点でははっきり言えない部分がありますよね。前回の任期のときのことを考えて予想はある程度できても、本当にそれがそのまま引き継がれるのかということもありますし、関係が良かった安倍晋三元首相もいなくなっていますので、手綱を取る人も相当限定されるというようなことだじゃないかと思うんです。

(山田)それこそロシアとウクライナの関係にも…。

(橋本)すごく影響があると思います。トランプさんはウクライナ支援には否定的だと言われてますので、もしトランプさんになれば、ウクライナへの支援を打ち切ると。アメリカは今最大の支援をしているので、それがなくなるとウクライナは相当ロシアとの戦いで不利になっていくと思います。

この他にも、2月にインドネシアの大統領選、4月から5月の間にインドの総選挙なども予定されています。

ウクライナでも、本来なら今年、大統領選が行われる予定でしたが、非常時で「選挙をやっている場合ではない」ということで、現職のゼレンスキーさんが選挙の延期を示唆しています。実施されるかどうかは流動的だということです。

9月に日本は総裁選、県内は7市町で首長選


(山田)そして、日本でも重大なものがありますね。

(橋本)9月に岸田文雄首相が自民党総裁の任期切れを迎えるので、それに伴う総裁選が予定されています。

岸田さんは支持率が低迷していて、それに加えて、安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金の捜査が進み、既に逮捕者も出ました。通常国会の開会前に一定の結論が出るという話もありますので、それによって総裁選がどうなるかというのが一つの注目点です。

あと、以前もこの「3時のドリル」でお話ししましたが、岸田さんは総裁選の前に衆院解散・総選挙に打って出て、求心力を高めたいというふうに考えています。ただ、それをやりたくても支持率が低いので、選挙で大負けして自民党の議席を減らすと責任を問われ、「もうあなたは退陣してださい」ということになるかもしれない。

ですからもう少し支持率を上げて、勝てないにしても大負けしない、現状維持から若干減らすぐらいの議席は取れる状況にして選挙をやりたいと思っているはずです。しかし、それがなかなか今のところ、見えてこないという状況ですね。

(山田)SNSなどを見てますと、石川県の地震への対応の遅れについても言われています。

(橋本)昨年からずっと、身内の不祥事や裏金疑惑などが続いて批判されています。減税もああいう状況で言ってなければ、もっと好意的に受け止められたかもしれませんが、何もかもが裏目に出ていますよね。

そういう状況の中で、この地震があって、通常だったらもうちょっと優しい目で見てもらえる可能性もあったかもしれません。でも被災地への支援の手が届いていないところが注目されて、やっぱり強く批判されてしまうということになっていますね。

(山田)静岡県での選挙はどうですか?

(橋本)県内は逆に選挙の裏年といえるような年になります。大きな選挙が比較的少ないです。地方選挙でいうと、御前崎や伊豆などの7市町長選、それから御殿場、御前崎、伊豆の3市議選が予定されています。

昨年は県議選や政令市長選が統一地方選で行われ、県知事選は来年の2025年になるので、ちょうどその間ということになります。

ただ、これも解散・総選挙があるかないかで大きく変わり、もしあれば県内でも選挙ムードがぐっと高まることになります。

世界の選挙がわれわれの生活にも影響

(山田)そんな2024年は選挙イヤーということですけども。これがどういうふうにわれわれに影響してくるかというと。

(橋本)アメリカやロシアの大統領選挙というのは、遠い国の話と思われるかもしれませんが、紛争に大きく影響します。一昨年、昨年に感じていると思いますが、戦争によって物価が上がったり、経済が停滞したりということもあるので、決して無関係ではないんです。
ぜひ、新聞やテレビ、インターネット、ラジオで世界の選挙の話題に少し関心を持って、1年間、見ていただけたらなと思います。

(山田)今日も勉強になりました。今日の勉強はこれでおしまい!

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