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【全国高校総合文化祭】静岡県は“文化部大国”だった! 今年も起こるか静岡旋風 活躍が期待される注目部門を紹介  

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「全国高校総合文化祭」。先生役は静岡新聞教育文化部長の橋爪充が務めます。
※SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」で放送したものを編集しています。

(橋爪)きょうは鹿児島県で7月29日に開幕する第47回全国高校総合文化祭(総文祭)について取り上げたいと思います。

(山田)僕は運動部だったので、こういう文化祭があることを知らなかったです。

(橋爪)これはわかりやすく言うと、全国高校総体(インターハイ)の文化部版です。昭和52年(1977年)から各都道府県が持ち回りで開催しています。高校生による芸術文化活動の祭典という位置づけで今年は47回目。つまり各都道府県をちょうど1周した記念すべき大会になります。

7月29日に総合開会式やパレードが行われ、その後演劇や吹奏楽、英語、自然科学など22部門で発表や審査が行われます。生徒同士の交流というのも目的の一つになっていて、毎年大体2万人ぐらいの高校生が集まると言われています。

(山田)文化部のインターハイってことですから、当然順位も競い合うわけですよね?

(橋爪)そこが若干、運動部のインターハイと違うところがありまして、必ずしも全て順位づけや選考審査を行うわけじゃないんですよ。例えば合唱とか吹奏楽、器楽・管弦楽という部門があるんですけど、こういったものは順位づけしません。その他、美術・工芸や文芸も作品の優劣を競ったりはしないことになっています。

(山田)そうなんですね。

(橋爪)一方で、順位づけする部門というのもあります。例を挙げると、演劇、日本音楽、郷土芸能、囲碁、将棋、小倉百人一首かるたなど。自然科学も物理、化学、生物、地学の4部門で研究のプレゼンテーションを行って優秀賞とかを決めるんです。

(山田)へえー、面白そう。

日本音楽部門は三島北高が昨年全国2位 今年は沼津西高と磐田北高が挑む

(橋爪)そうなんですよ。新聞の紙面上でもそうですけれども、高校総体に比べて文化部の全国大会についてはなかなか紙面を割く機会がないので、開催を前に順位づけする部門から静岡県代表の注目点をいくつか挙げていきたいと思います。

(山田)お願いします。

(橋爪)前年度の入賞部門を中心にお話していこうと思ってるんですけれども、昨年は東京都で開催されました。一番数字的にいい成績だったのが日本音楽部門の三島北高箏曲部で、全国2位に当たる文化庁長官賞に輝きました。

(山田)すごいじゃないですか。

(橋爪)日本音楽と演劇、郷土芸能を合わせた3部門の各上位4校は、国立劇場の大劇場で8月下旬に上演する権利を得られます。これはなかなか素晴らしいことで、今年も全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演という名称で8月26日、27日に開催が決まっています。

(山田)これは高校生たちからしたらものすごい特別な経験になりますね。

(橋爪)今年の日本音楽部門の静岡県代表は昨年10月の予選で決まりまして、沼津西高と磐田北高になりました。県内では昨年の代表の三島北高に加え、浜松市立高、今回の代表2校などがしのぎを削っています。実力は横一線だと言われているので、今年も期待を持てると思います。

(山田)上位狙えるということですね。

(橋爪)今回の総文祭の日本音楽部門は7月29日と30日の2日間、日置市で行われます。同じく国立劇場で上演できる権利がかかってる郷土芸能部門なんですが、こちらは7月30日から8月1日まで奄美市で行われます。

(山田)郷土芸能部門はどんな内容なんですか。

(橋爪)二つの部門があって、伝承芸能部門と和太鼓部門というのがあります。伝承芸能部門は横須賀高が出ます。全国常連校で5年連続出場になります。

(山田)横須賀高は何を披露するんですか。

(橋爪)地元に伝わる「三社祭礼囃子」をステージ上で再現します。舞、太鼓、笛、鐘とかですね。横須賀高校もクオリティが高く、静岡県の文化奨励賞を受賞しています。対象は高校生に限らない賞なので、伝統的に非常に力のある学校です。ぜひ、上位入賞して国立劇場出演を狙ってほしいですね。

和太鼓部門の今年の代表は飛龍高です。飛龍高の和太鼓はいろいろなイベントに引っ張りだこなんです。相当場馴れしているはずなので、本番も期待できるかなと思います。

(山田)いやあ、楽しみですね。

静岡は百人一首かるた王国! 昨年も選抜チームが準優勝

(橋爪)それと、百人一首かるた部門も注目です。昨年、静岡県チームは準優勝だったんですよ。そもそも静岡県は百人一首かるた王国だったんです。滋賀県の近江神宮で行われる全国高校選手権という大会があるんですが、1979年に開かれた第1回から第10回までずっと富士高が優勝していました。第25回目まで静岡県以外の学校が優勝したのは2回だけ。

(山田)静岡県はそんなに強かったんですか。

(橋爪)そこから比べると、最近は東京や首都圏の学校が強くなってるんで、相対的に常勝という感じではないんですけども、静岡県は元々の地盤がある地域です。

総文祭では個人8人を県の中から選抜してチームをつくります。その中から1試合ごとに5人選抜して5対5で戦います。今回は沼津東高から1人、富士高から2人、静岡東高から2人、
静岡雙葉高から1人、浜松西高から2人を集めて男女混成でチームを編成しています。ライバルは東京都、神奈川県辺りになりそうです。

7月22日、23日にちょうど近江神宮で全国高校選手権大会が行われたんですけれども、優勝したのは東京都の関東第一高で、準優勝が神奈川の横浜平沼高でした。静岡県からは浜松西高と富士高が出たんですけれども、決勝トーナメントの8校に残れなかったんです。ですので、総文祭で雪辱を果たしてほしいですね。

(山田)どうしても運動部ばかり取り上げられますけども、文化部も面白いですね。

小倉百人一首かるた部門の静岡県チーム準優勝を伝える記事(静岡新聞2022年8月3日付)

将棋、新聞、放送… 期待の部門は数多い

(橋爪)将棋部門にも触れさせてください。将棋は学校ごとに団体戦を戦うんですが、昨年は女子団体戦で日大三島高が準優勝。男子団体は静岡高が3位でした。ことしの静岡県代表は男子が藤枝明誠高、女子は富士見高です。

これ以外に男女の個人戦もあります。女子は日大三島高の2年生で佐々木香歩さんという方が出場します。昨年1年生だったときに、団体戦準優勝のメンバーに入っていました。さらに1年生の2月に行われた全国の新人戦で3位に入っています。

(山田)期待が持てますね。

(橋爪)男子の方は浜松学芸高3年の木下颯さんが代表です。経験値が高く、大人も交えた浜松市内の大会の最上級クラスで優勝しています。浜松市最強の棋士です。

(山田)静岡県は百人一首だけじゃなくて「文化部大国」ですね。他にも新聞部とかも出場するんですよね。

(橋爪)新聞部は一昨年、韮山高が最優秀賞を取っています。放送部門も一昨年、出場者の合計獲得ポイントで静岡県が初めて実質上トップの文部科学大臣賞に輝いています。

(山田)文化部も暑い夏を過ごしますね。ぜひ注目しましょう。今日の勉強はこれでおしまい!

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