【芦川和樹さんの「犬、犬状のヨーグルトか机」】対角線の言葉選び

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、2023年に第61回現代詩手帖賞に選出された芦川和樹さん(三島市出身)の詩集「犬、犬状のヨーグルトか机 lux poetica①」(思潮社)。

「偏屈な乾燥衣類(ニャー)。メロンパンが湖を、画面を横切るカット、ボール。」(「トロフィー、胡桃の床」より)。ある言葉から、できるだけ遠い言葉を瞬間的に選び取っているような、対角線を思わせる詩の数々。話法は一定でなく、予測不能なタイミングで句読点が入る。音読するとつっかえつっかえになる。意味や物語をつかもうとすると、スルスル逃げられる。それなのに、強烈な人懐っこさがダダ洩れ。何だろう、この読後感。(は)

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