【小川芙由さんの「色えらび」】光の強弱を受け取る

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、2023年に「ユリイカの新人」に選出された小川芙由(あおい)さん(静岡市)の第1詩集「lux poetica②」(思潮社)。

「人はこころに四季をもち/四季はこころに人をもつ。」(「不文律の夢」より)。五感を研ぎ澄ませ、まさに言葉を「紡いで」いる。いかにも詩人らしい営みが、夏の木陰を二人で歩くかのような心地よさをもたらす。作品には常に他者がいて、「エモい」瞬間が何度となく訪れる。光の強弱が詩の輪郭をくっきり浮かび上がらせる。透過するもの、反射するもの。晴れ、曇り。朝、昼、夜。詩人が操る光によって形、色が明瞭に知覚される。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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