【管啓次郎さんの最新詩集「一週間、その他の小さな旅」】猫への深い洞察

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、福島民報に掲載した「一週間」「犬と詩は」などをまとめた、管啓次郎さんの詩集「一週間、その他の小さな旅」(コトニ社)。

管さんは8月24日、静岡市葵区のひばりブックスでポエトリー・リーディングを行った。分かりやすい言葉を使って論理的に構築された詩の数々。読み手が置いてきぼりを食らうことが一切ない。静岡県民は「三島/長泉詩片」を読むと、ぱあーっと視界が広がる感覚を覚えるだろう。全編に動物への深い洞察と愛情がうかがえるが、特に猫の描写が秀逸。「シャルル猫(ボードレールのLe Chatから出発して)」にある魅惑的な猫のスケッチは、「何かかわいいものを言語化する」という、途方もない作業を難なくこなしていて、心底感動。

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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