知れば知るほどハマってしまうその魅力とは
静岡県民は「浜松餃子」があるので餃子のほうが身近かもしれませんが、昨年「シュウマイの逆襲が始まっている!」というニュースを受け、IPPOでもお伝えしてきました。そんなシュウマイの魅力をシュウマイ研究家で日本シュウマイ協会代表理事のシュウマイ潤さんに、SBSアナウンサー原口大輝がお話を伺いました。(写真はすべてシュウマイ潤さん提供)
原口:シュウマイ潤さんは、2015年頃からシュウマイ研究を始められ、インスタグラムでシュウマイの情報を発信されています。過去には、「マツコの知らない世界」(TBS系)に出演されたり、崎陽軒の社長と対談されました。また現在は日本シュウマイ協会で精力的に活動されています。
シュウマイ潤さんが発起人の日本シュウマイ協会が2022年6月に法人化されました。主にどんな活動をされてきたんですか。
シュウマイ潤:シュウマイに特化した協会が今まではなく、もっと日本のシュウマイの地位を向上させようという目的から設立された協会です。9月に設立記念のパーティを崎陽軒さんで盛大に行い、11月には、下北沢にて全国のシュウマイ食べ比べイベントを行いました。ひとつのお店やメーカーだけでなく、同時にいろいろなシュウマイを楽しめ、シュウマイの魅力が伝わると思うので、こういったイベントはこれからもやっていきたいです。
最近の動向
原口:最近のシュウマイ業界の盛り上がりはいかがですか。シュウマイ潤:私が研究を始めた頃に比べて、格段に盛り上がっていると思います。シュウマイの質も上がり、美味しいシュウマイが増えました。昨年からはシュウマイ自体の多様化も進み、豚肉のシュウマイだけでなく中の具材や調理方法などが違う、いろいろな種類のシュウマイが増えました。
原口:これは土地によって違うものなのですか。
シュウマイ潤:そんなに違いはありません。ただ、中華料理のシュウマイがオーソドックスであったのに対し、ご当地の食材を使ったシュウマイが増えてきたので今後どうなっていくのか注目しています。
原口:シュウマイ人気が高まったことで、全国各地でそういった動きが出てきたんですね。ちなみにこの1年間で静岡県のシュウマイ事情はいかがですか。
シュウマイ潤:SNSをチェックしているといくつか面白い地域があります。掛川市や三島市に気になるシュウマイを出すお店があるので行ってみたいなと思っています。
シュウマイ潤さんおすすめシュウマイ3選
原口:最近食べたシュウマイで美味しかったオススメのものを3つ教えてください。1.栃木県鹿沼市の「笑福シウマイ」
写真提供:シュウマイ潤さん
シュウマイ潤:鹿沼市は、昨年シュウマイ業界で最もメディアを騒がせた地域とも言える場所です。”シュウマイでまちおこし”ということで、崎陽軒さんと一緒に地域のシュウマイの飲食店が、オリジナルのシュウマイをつくる活動を積極的に行っていました。そのすてきな代表例が「笑福シウマイ」なんです。鹿沼市のシュウマイは、ご当地的な特徴はありません。「笑福シウマイ」もスタンダードな豚肉のシュウマイなんですが、赤身肉でしっかりとした食感が特徴です。玉ねぎもしっかりと食感が残り、お肉と玉ねぎのうま味の重なり合いは、全国の豚シュウマイの中でもレベルが高いと思います。
原口:豚肉と玉ねぎが食感としてわかるという認識がなかったのですが、存分に存在感を発揮しているんですね。
シュウマイ潤:最近のトレンドでもある豚シュウマイの特徴をすごく表している象徴的なシュウマイだと思います。
原口:栃木県は餃子だけじゃないんですね。
シュウマイ潤:餃子といいライバル関係が生まれてほしいなと思います。
2.山梨県身延町の「枝豆シュウマイ」
写真提供:シュウマイ潤さん
シュウマイ潤:身延町は大豆の栽培が非常に盛んで、ご当地グルメを開発している中でシュウマイに着目し作られたものです。枝豆を刻んだものが、かなりたくさんお肉の中に入っています。枝豆がしっかりしているのか、食感と香りが食べた瞬間にガッとくるので、今まで食べたシュウマイの中でもかなり特徴的だと思います。
原口:枝豆の香りもシュウマイと合わさっているんですか。
シュウマイ潤:お肉の香りが強いですが、それに負けないくらいご当地の枝豆の良さがよくわかると思います。サイズも、大体のシュウマイは大きくて30gなんですが、なんと80gあるんです。メガサイズ級でたっぷり枝豆が入っていて、食べ応えも特徴です。
一口で食べるのは難しいと思うので、箸で割って断面も眺めながらいただいてください。
原口:サイズや特徴の違いも様々で、楽しみ方や食べ方も全然違いますね。
3.北海道の&PAN MARKET and BAKERYの「キッシュウマイ」
写真提供:シュウマイ潤さん
シュウマイ潤:パン屋さんが作るフレンチのキッシュに見立てたシュウマイです。シュウマイでは珍しい牛肉を使ったアンと、かぼちゃのペーストとスライスが混ざっています。サイズは小さいショートケーキくらいあって、扇状に切って食べます。正直、美味しいキッシュを食べている感覚がありつつも、外側はシュウマイの皮で包まれているので、ほのかにシュウマイ感が漂うとっても美味しい逸品です。シュウマイ界のさらなる新時代の到来といってもいいと思います。昨年一番びっくりしたのは、この「キッシュウマイ」ですね。
原口:皆さんアイディアや心意気まで見て取れて面白いですね。
シュウマイ潤:なにか新しいものを作ってみようと思える自由さが、シュウマイの魅力だと思います。
最新のシュウマイ事情を知るには
原口:活動の様子や美味しいシュウマイの情報は、どちらから発信されていますか。シュウマイ潤:協会の公式サイトや個人のインスタグラム「シュウマイ生活」(@syumai.life)にて、日々食べているシュウマイやイベントの情報を発信しています。
原口:最後にリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。
シュウマイ潤:静岡といえば浜松餃子に注目が集まりがちですが、静岡にはまだまだ知られざるシュウマイが眠っている可能性が高いです。地元の皆さんに美味しいシュウマイを発掘し、我が街の良いシュウマイを見つけたら、ぜひ協会か私までお気軽にご連絡ください。