地元湖西市の新公式キャラクターもデザインした漫画家、稲空穂さんを深堀り!

うなぎで有名な浜名湖に面している、静岡県の西の玄関口・湖西市は、2022年に市制施行50周年を迎えました。それを記念して誕生した新公式キャラクターの作者で、今も湖西市にお住まいの漫画家・稲空穂さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※9月22日にSBSラジオ「IPPO」で放送したものを編集しています。 

デビューのきっかけはTwitter!

牧野:2017年に漫画家としてデビューされたそうですが、きっかけは何だったんですか?

稲:湖西市の企業で働きながら、趣味で描いた漫画をTwitterに投稿していました。その投稿した漫画がバズり、出版社さんに声をかけていただきデビューが決まりました。

牧野:SNSがきっかけで出版社から声がかかった時、どんな気持ちでしたか?

稲:とてもびっくりしました。年齢的にこれが最後のチャンスかなと思い、家族の後押しもあってデビューしました。

漫画『特別じゃない日』が話題に


牧野:
稲さんの漫画『特別じゃない日』には、読んでいてハッピーになるような日常の場面がたくさん出てきます。例えば、スマホをマスターしたおばあちゃんがおじいちゃんに使い方を教えることで起きた出来事だったり。これまでに読んできた、次々事件が起こるような漫画とは違って新鮮でした。日常を切り取る漫画は、どういうところからインスピレーションが湧いてくるんですか?

稲:漫画に出てくるアイテムは、スマホやビデオ通話など変わったものではないんです。そこから自分が「こうやって行動出来たらいいな」とか「こんな出来事が起きたらいいな」など、憧れ的なものを混ぜた話を描いています。

牧野:『特別じゃない日』を読んでいると、自分の周りで起こっていることが多くて、ハッとします。例えば、戦隊ものが好きだった子どもが、あっという間にポケモンみたいなキャラクターが好きになって、どんどん好きなものが変わっていく。でも、親はなかなか理解できなくて「なんで!?」って言っちゃいがちで。そんな時に「子どもの心の動きはこうだ」という気づきもあったり、日常の幸せを感じることができる作品です。

日常系漫画

牧野:稲さんは今もTwitterで短い漫画を発信なさっていますね。

稲:「漫画を読んで家族に会いたくなった」「自分にはこんな経験があったことを思い出した」など、コメントをたくさんいただき、こんなに反響をいただけるとは思っていなかったので、すごく嬉しいです。

牧野:次々事件が起こるような漫画ではなく、日常を取り上げるような漫画にしようと思ったのはどうしてですか?

稲:私にとってはネタが出来やすいというのもありますし、共感していただけるかなというのもありました。

牧野:お笑いの世界でも「共感ツッコミ」とか、「共感」がキーワードになりつつあります。漫画も共感の時代に来てるのかもしれないですね。

稲:そうですね。今「日常系漫画」というジャンルで作品が生まれてきているので、私もいろんな作品を読んでいきたいなと思っています。

牧野:ファンの方の年齢層はどれくらいが多いんですか?

稲:20代の方が多いですが、意外と50代にも読んでいただいています。

湖西市のキャラクターを作成、モチーフは?


牧野:
稲空穂さんは漫画以外でも大活躍で、湖西市の市制50周年記念キャラクターをデザインされました。そのキャラクターは、パンダのように見えてパンダとは違うような……。

稲:この子は「うなぎ」なんです。

牧野:うなぎ!

稲:設定としては、パンダの着ぐるみを着ているうなぎです。人気者のパンダのふりをして、みんなと仲良くなりたくて、浜名湖から出てきました。

牧野:パンダの人気に憧れちゃうなということなんでしょうか。かわいいなあ。パンダの着ぐるみからうなぎのしっぽがちょっとはみ出してたりして、お子さんにも愛されそうなキャラクターですね!

稲:一緒に遊んでもらえたらなと思います。

牧野:この新キャラクター、11月下旬に名前を発表予定です。

湖西市は「箱庭のような街」

牧野:湖西市の魅力はどんなところですか?

稲:自然がいっぱいで、生活に必要なスーパーや飲食店などがコンパクトにまとまっています。個人的には箱庭のような街だと思っています。

牧野:湖西市の人は、地元LOVEな人が多いでしょうか?

稲:はい、とても多いと思います! 住みやすくコンパクトに行動範囲も決まっているし、知り合いの方に会うことも多いです。

ネットがあれば漫画家はできる?


牧野:
漫画家は、上京して事務所を借りてアシスタントを雇うというイメージがあるのですが、あえて地元でというのはどんな思いがありますか?

稲:今はデータでやり取りできるので、東京に出なくても漫画家の活動に支障はないんです。

牧野:そこも時代が変わってきて、やりやすくなっているんですね!

稲:打ち合わせもZoomでできますし、住みやすい湖西市で活動していきたいなと思っています。

牧野:これからの漫画家としての夢は何ですか?

稲:湖西市の新キャラクターに採用していただいたように、漫画家としての自分の特技を地域の活動に活かせる場があったらいいなと思います。大好きな湖西市の魅力などもSNSで発信していけたらと思っています。

牧野:Twitter アカウント( @ina_nanana )のほか、どういうところで稲さんの漫画を見られますか?

稲:「COMICリュエル」というwebコミックサイトで『特別じゃない日』の連載をしています。

牧野:素敵な漫画を書いてらっしゃる人が静岡県内で活動されているのは、私たちも誇らしく思います。漫画家になりたい夢を持っている子どもたちも、とにかく発信してみる、SNSに自分を出してみるところから始めるのもいいんだなと勇気をもらいました。これからもずっと応援しています! 
今回お話をうかがったのは……稲空穂さん
静岡県浜松市出身・湖西市在住。会社員を経て、2017年『おとぎ話バトルロワイヤル』(KADOKAWA)で漫画家デビュー。『特別じゃない日』(実業之日本社)で日常をテーマにした作品に初挑戦。

SBSラジオIPPO(月~金曜:朝7:00~9:00)忙しい朝を迎えているアナタに最新ニュースはもちろん、今さら人には聞けない情報をコンパクトに紹介!今日の自分をちょっとだけアップデート!番組公式サイトX(旧Twitter)もぜひチェックを!
radikoでSBSラジオを聴く>

関連タグ

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1