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人はなぜイライラする?3つのタイプ別、ストレス発散法

今回は自分を見つめ直すストレスケアの方法について、心理カウンセラー・研修講師としてご活躍されるイム・ソネさんにSBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。イム・ソネさんは、ご自身も2人のお子さんを育てながら、子どもから母親、ビジネスマンまで、心をケアするサロンを立ち上げて、多くの人々に寄り添っていらっしゃいます。
※12月13日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
ストレスケア

人はどうしてイライラする? イライラするメカニズムとは?

牧野:新型コロナウイルスの影響で、相談にくる人は増えましたか?

イム・ソネ:そうですね、セミナーや個別相談の依頼もすごく増えたので、みなさん心が疲れているんだなとすごく感じます。

牧野:具体的にはどのような悩みが多いんですか?

イム・ソネ:一番は「イライラする」ですね。その延長線上で眠れなくなったとか、新型コロナウイルスの影響で心配性になってしまったという悩みが多いです。

牧野:性格が変わってしまうほどの人もいるんですね。

イム・ソネ:他人のちょっとしたことが、いちいち気になるとか。

牧野:イライラするのは、メカニズムとしては何が起こっているんですか?

イム・ソネ:イライラのメカニズムとしては、イライラとか怒る前に、ネガティブな第一感情が心に溜まっているんです。だから特に疲れていないときは怒らないのに、疲れているときにそれをやると怒ったり。起きたできごとではなく、そのとき自分がどんな状態だったかによるという……。

牧野:同じことを言っても、前は怒られなかったのに、今回は怒られたということってありますよね。日によって怒りのポイントが違う人がいたりと、人は状況によって沸点が変わるものなんですね。

イム・ソネ:コロナ禍で、みなさん我慢しないといけないことが増えました。人に会えない寂しさや疲れ、この先の不安など、そういうネガティブな感情が溜まっているので、イライラしやすくなっているのかなと思います。

ストレスが溜まったときの発散方法は?

牧野:私もそうですが、沸点が下がっている人も多いと思います。ストレスが溜まっているなという場合、発散方法やストレスケアの方法を教えてください。

イム・ソネ:ストレスケアの方法といってもたくさんあると思うんですね。対処法ばかり取り入れるのではなく、ぜひ自分に合ったものを取り入れてほしいなと思います。例えば、自分がどんなタイプなのか、何が好きなのかちゃんと自分で知っていますか?

牧野:なんとなく騒ぐのが好きなのは分かっていますが、分析したことはないですね。

人間には3つの「優位感覚」がある

イム・ソネ:そうなんです。意外と自分のことってよくわからない人が多いんです。そこで、今回は「優位感覚」をご紹介したいと思います。人間には3つの「優位感覚」があるといわれています。1.視覚(目)、2.聴感覚(耳)、3.体感覚(嗅覚、味覚、体の感じ)。この3つの中でどれか、人それぞれ強いものがあります。これに合わせてストレスケアを取り入れるといいですよ。

牧野:でも自分は何が優位なのか、感じたことがないのでわかりません。調べ方ってあるんですか?

イム・ソネ:それでは、ちょっとやってみましょう。小学校1年生のときの先生の顔を思い出してみて下さい。

牧野:思い浮かべました。

イム・ソネ:思い出すときに、目が上にいく人は視覚優位が多いといわれています。視覚優位の人は直観的な人が多いです。目がキョロキョロ横に動く人は聴感覚が優位、目が下に動く、目をつむる、体をさわりながら思い出した人は体感覚が優位と言われています。

牧野:人によって違うんですね!

イム・ソネ:ほかにも新婚旅行を思い出してくださいと言われて、そのときの風景やイメージが映像で浮かぶ人は視覚優位、「こういう有名なところに行ったんだよ」という人は聴感覚が優位です。聴感覚の人は具体的な情報をしっかり記憶しています。体感覚の人は、「あのとき食べた味がこうだったな」とか「南国の生暖かい風が吹いていたな」という感じに思い出します。

優位感覚別、ストレス対処法

牧野:それを知ると、対策が見えてくるんですか?

イム・ソネ:朝ゆっくりコーヒーを飲むにしても、視覚優位の人はお気に入りのコップで飲むとか。

牧野:目で見て癒されるんですね。

イム・ソネ:逆に机の上が煩雑だとそれだけでストレスを感じてしまうので、ちょっと片付けてから飲む。聴感覚優位の人は、音楽を聴いたり、それこそラジオを聴きながらとかがすごくいいかもしれないです。

牧野:なるほど!耳の感覚を大事にする、何を整えればいいかが見えてくるんですね。

イム・ソネ:体感覚の人は定番のお気に入りの味や、コーヒーを飲むときもゆっくり香りを嗅ぎながら、嗅覚を使って飲むとすごく心が満たされます。

牧野:すべての人に、これがいい!ではなく、自分にあうものがあるんですね。自分の感覚は何なのか、何が優位なのかを知ればそれがわかってくる。

イム・ソネ:ストレスケアひとつとっても、誰々がやっているからと他人に目を向けるのではなく、自分に目を向けることがすごく大事だと思います。

ストレスはこまめに発散を!

牧野:まずは自己分析から始めてみましょう! イム・ソネさんご自身は、ストレスとどう向き合っていますか?

イム・ソネ:何もしないゆとりの時間を確保するとか、余白の時間を作るのがすごく大事だと思っているので、こまめにひとり時間を作ります。あとは、食べたいものを食べるとか、習慣的にやっているので、私の場合はストレスをほとんど感じないし溜まらないです!

牧野:ストレスを溜める前に自分の好きなことをやってしまうんですね!

イム・ソネ:そうなんです! ストレス発散って、意外と一気に発散することはできないんです。でも、ストレスってみなさん溜めがちじゃないですか。溜まって溜まって少ししか発散できないと、負債のように残ってくるので、こまめに発散するのが大事です。

牧野:ストレスって、どーんと溜まって病気になってから心理ケアにかかることが多いですが、実は、その前にイム・ソネさんのような人に話した方がいいなと思いました。

イム・ソネ:日本でカウンセリングというと、どうしようもなくなったときに行くものと思いがちですが、そうではなくて気軽に相談に来てほしいです。

牧野:確かにそういう形で心理カウンセリングに行くという人は少なそうです。

イム・ソネ:日本ではまだ認知度が低いなとは感じることもありますが、セミナーで少しそういった話を聞いてもらうと、「私の話を聞いて下さい」と来てくださる人もいます。やっぱり人って自分の話をしたいと思っているので、カウンセリングなどを気軽に利用してもらって早期発見、早期対処してもらいたいです。

牧野:漢方でいう未病と同じですね! 今度、そんなイム・ソネさんのお話しを聞ける機会があるそうですね。

イム・ソネ:SBS学苑・静岡校で『自分を見つめ直すストレスケア』についてお話します。2022年1月9日(日)午後1時〜2時半の90分で、今回の話をもっと詳しくお伝えします。

牧野:最後にみなさんに一言お願いします!

イム・ソネ:心と体は繋がっているので、体が疲れていると心も疲れてしまうし、心が疲れると体の疲れもより感じやすいです。心と体を両方一緒にケアすることを心がけてほしいです。

牧野:ありがとうございました!
 
今回お話をうかがったのは……イム・ソネさん
公認心理師・心理カウンセラー。6才と3才の子を持つ、二児の母。十数年の教員経験を生かして、延べ2000人の子育て世代の悩み相談を解決へ。アメリカ発祥の感情コントロールメソッド「アンガーマネジメント」を専門とした講座を多数開講中。企業や学校教職員向けのマネジメント研修講師も務める。

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