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家の中がきれいだとお金が貯まる!?『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』

日々の行動や生活を振り返ると、お金が貯まることにつながる!

今回は、気になる新刊を紹介します。『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか 〜「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)。この本の著者でファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※4月26日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:本のタイトルが非常にインパクトがあって気になりました。お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか、本当にそうなんですか?

黒田:私は、ファイナンシャルプランナーとして独立して四半世紀近く、もう25年くらいずっと個人相談を受けてきています。相談のときにお宅にお邪魔してお話を伺う機会も多いのですが、いろんなお宅にお邪魔すると、やはりお金が貯まっている家庭は、家がきれいだというのを非常に感じています。そもそも部屋がきれい、片付いているのは、ご自分の持ち物それぞれの適正量をちゃんと把握できているということ。必要なものや大事にしているもの、好きなものが分かっているので、無駄遣いをしない。そうすると、家計にゆとりができてお金が貯まるという仕組みではないかと思っています。

牧野:そう言われると、ドキッとしている人はかなり多いと思います(笑)。

黒田:確かにちょっとキャッチーなタイトルなんですが、投資をしようとか節約しようと身構えなくても、みなさんの日々の行動や生活をちょっと振り返ってもらえれば、お金が貯まることにつながると分かってもらいたくて書いた本です。

「もったいない」がお金を遠ざける!?

牧野:日々の行動のあり方が、お金の貯まり方に影響してくるんですね。この本を読んで意外だったのは、「もったいない」が口癖の人はお金を遠ざけているということでした。

黒田:「もったいない」というのは日本人独特の考え方です。私も昭和生まれなので、おじいちゃんおばあちゃんから「もったいない、もったいない」と言われてきました。ただ今は非常にモノがあふれている時代です。まったくお金を使わなければ確かに貯まりますが、モノがあふれて片付けられなかったり、肝心なときに必要なものが出てこなければ、新しく買い足すこともあるかもしれない。そうすると、最終的には、お金も時間も手間も無駄遣いしてしまう悪循環を生み出しかねないということです。

なぜかお金が貯まらない人

牧野:多いパターンが、浪費家だという自覚もなく定期的な収入もあるのに「なぜかお金が貯まりません」という人にはどんなアドバイスをしますか?

黒田:そういう人は非常に多いんじゃないかと思います。私のところにも、無駄遣いをしているつもりはないのに、なかなかお金が貯まらないという相談が多くあります。実際に思っているほどお金が貯まっていないのであれば、絶対どこかに使っています!

浪費家という自覚もないということなんですが、浪費とか無駄遣いというのは、ブランド品などの高いものを買うことでありません。スーパーに行って半額のシールが貼られたものを大量に買えば、それは無駄遣い、ちりつも消費につながります。ぜひ家計簿をつけたり、お金をどこにいくら使っているか見える化していただきたいと思います。

「いいね」を欲しがる人は無駄遣いしやすい

牧野:見える化するのは大事なんですね。あとは、今の時代らしいなと思ったのが、SNSの使い方とお金の貯まりも関係があると。この本の、「いいね」を欲しがる人ほど無駄遣いしやすいという章には、思い当たる人も多いんじゃないかなと思います。 

黒田:SNSの投稿では、すごく美味しいものを食べに行ったとか、すてきな所・映えるスポットに行ったなどが多いですよね。SNSの「いいね」は、人から認められたい、褒められたいという承認欲求を簡単に満たしてくれる。脳科学的にいうと、承認欲求が満たされることでドーパミンが出て、非常に強い快楽を得られるといわれています。なので、ブランド品を買ったり、旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、見栄消費につながりやすいのです。

牧野:オムライスの写真を載せたら「いいね」が100ついた。やった、嬉しい!次はステーキにいくぞ!みたいな、どんどん高いものという流れができそうですもんね。

黒田:人と違うことをしたり場所に行こうとすると見栄消費につながりやすい傾向はあると思います。

資産運用で大事なこと

牧野:SNSとの上手な付き合い方を考えていきましょう。そして「資産運用」についても、考え方や失敗例などを教えてくれています。例えばどんなことに気をつければいいでしょうか? 

黒田:やはり、資産運用や投資をした方がいいのかな?と考える人が多いと思いますが、絶対にしなければならないマストなものではないと私は思っています。ただ、人生100年時代といわれて、長生きをする人が増えてきたことで、健康寿命だけでなくお金の寿命、資産寿命も伸ばしていかないといけません。そうすると、若い世代は特に、マストではないがした方が良い、ベターだとアドバイスはしています。その場合、時間を味方につけることが大事なので、始めるのであれば、少額からコツコツ積み立てて長期にわたって続けることが大事だと思っています。

牧野:黒田さんご自身はどんな投資をされてるんですか?

黒田:私は、コツコツ長期で積み立てをしていて、大学生のときから株式投資をずっとしています。そのときの注意点は、多少の値動きには慌てずにずっと続けることが大事です。なので、みなさんも興味がある会社や投資先などに少しずつでも投資をしてみてはいかがかなと思います。

食事は健康につながるという意識

牧野:あと、料理好きなパートナーを持つと生涯貯蓄額が1260万円アップ、というのも気になりました。これは「自炊で食費が浮く」という意味なんですか?

黒田:もちろん、そのような意味もありますが、やはり大きいのは健康ですね。今はコンビニなどで、個食サイズのものを割安に売っていたりしているので、自炊で野菜を腐らせたりするよりも、コンビニで買ったり外食した方がいい時もあります。ただ、栄養が偏ることで高血圧、糖尿病などの生活習慣病の要因になりやすいです。それがひいては、ガンや脳卒中、心筋梗塞などの大きな病気のリスクにもなります。病気で働けなくなって収入が減ったり、医療費や介護費が余計にかかってしまい、まさに本末転倒になるので、食事は健康につながることをぜひ意識していただきたいと思います。

不測の事態への意識

牧野:今話に出た病気や親の介護など、突然自分の身にふりかかってくることもあると思います。不測の事態に備えることが非常に大事だと思うのですが、どんなアドバイスをされますか?

黒田:私自身、子どもが小さい時に乳がんになりましたし、親の介護も経験していますが、不測の事態は、なんで今なの?という最悪のタイミングでも起きるんです。いろんな備えをして「いつでも来い!」という状態で万が一のことが起きることは少ないと思います。なので、自分は大丈夫と思わずに、もし今、病気や親の介護をすることになったら?会社を辞めることになったら?ということを、自分事として考えて、情報収集や人間関係、ネットワーク作り、もちろん経済的な備え、保険の見直しをすることも大事だと思います。

牧野:そして、本のタイトル通り、まずは部屋の片づけですね!

黒田:そうですね。ぜひ、お部屋の片づけ・掃除から始めるといいと思います。いきなり広いスペースから取りかかるとなると、気持ちがうっ......となってしまうので、まずは身近な冷蔵庫、机の引き出しの中、もっと手軽にいうと財布の見直しもできます。期限切れのポイントカードが入ってないか、全然使っていないクレジットカードがないか、レシートを整理したりでもOKです。

身の回りを見直して、見える化することで自分や家族に必要なものがわかる。そうすると自然にお金も貯まるようになると思っています。実は、そうじ好き・片付け付きの人は嫌いな人よりも、貯金が55万円、年収80万円以上も高いという調査結果もありますので、騙されたと思って少しずつでも片付けや整理整頓されてはいかがでしょうか。

牧野:わかりました!今日からそうじ大好きキャラでいきます(笑)!
今回お話をうかがったのは……黒田尚子さん
CFP(R)、1級ファイナンシャルプランナー技能士。立命館大学法学部を卒業後、92年に日本総合研究所に入社、98年からはファイナンシャルプランナーとして独立。現在は、子育てや病気、親の介護など様々な経験を活かした、各種セミナーや講演、執筆、個人相談など幅広く活動している。HP「黒田尚子FPオフィス

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