あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 経済しずおか

「静岡の魚を未来に」サスエ前田5代目が講演 21世紀倶楽部

 静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部の5月例会セミナーが23日、浜松市中区のプレスタワーで開かれ、サスエ前田魚店(焼津市)の5代目店主前田尚毅さん(48)が「現場からみたこれからの魚」をテーマに講演した。

講演するサスエ前田魚店店主の前田さん=浜松市中区のプレスタワー
講演するサスエ前田魚店店主の前田さん=浜松市中区のプレスタワー

 水産会社勤務を経て家業を継いだ前田さん。当初は仕事になじめず苦しんだが、「恩師」と慕う地元の料理店主に叱られ、褒められながら育てられた事が支えになった。恩師が死に際に言った「次世代に出てくる若手料理人には全力で行け」との約束を守り続けている。
 「静岡で国内外からお客さんを呼べる店に」と二人三脚で知名度を高めてきた静岡市葵区の人気天ぷら店「成生」とのエピソードや東京・銀座のすし店に鮮度の良い魚を仕入れ、同店がフランスのミシュランガイドで三つ星を獲得した経験も語った。「営業をしたことは一度もない」と話す前田さんだが、「シェフからシェフの客を呼んでもらえるようになった」と振り返った。
 県内の水産業の評価は地元が思っている以上に高く、「静岡は食材の宝庫。飛び抜けたものを作ればチャンスになる」と地域貢献活動にも取り組む。「1市3軒」を合言葉に、有名な飲食店を3軒つくれば地域も潤うとして、このほど、成生の一番弟子に恩師の店があった場所に天ぷら店を開店させたという。
 漁師と連携しながら雑魚の評価を高め、自然と向き合い「自分がおいしいと思う魚を未来に残す」ことを重視した取り組みも紹介し、「楽しいことをやっているから飽きない」と実感を込めた。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

経済しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む