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テーマ : スイーツ♡

王将戦のおやつに脚光 掛川の老舗「火の羊羹」 藤井、羽生両氏が注文

 藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖=と羽生善治九段(52)がタイトル戦で初対決した将棋の第72期王将戦第1局を機に、掛川市中町商店街の老舗和菓子店「伊藤菓子舗」が脚光を浴びている。令和の天才と棋界のレジェンドがいずれも、掛川市での対局初日のおやつに同店の「火の羊羹(ようかん)」を注文したため。店には問い合わせが相次ぎ、歴史的一戦の余韻は冷めない。

藤井聡太王将と羽生善治九段が注文した「火の羊羹」
藤井聡太王将と羽生善治九段が注文した「火の羊羹」
理想の和菓子づくりに意欲を燃やす4代目店主の伊藤光男さん=12日、掛川市中町の伊藤菓子舗
理想の和菓子づくりに意欲を燃やす4代目店主の伊藤光男さん=12日、掛川市中町の伊藤菓子舗
藤井聡太王将と羽生善治九段が注文した「火の羊羹」
理想の和菓子づくりに意欲を燃やす4代目店主の伊藤光男さん=12日、掛川市中町の伊藤菓子舗

 火の羊羹は、火伏せの神として信仰を集める霊地・秋葉山に続く秋葉街道にちなんだネーミング。強い火加減で入念に練り上げた逸品で、藤井王将は8日午前、羽生九段は同日午後のおやつに火の羊羹を選んだ。いずれも「ゆず蜂蜜」「掛川茶」「本煉(ほんねり)」の3種盛り合わせ。藤井王将は抹茶とアイスコーヒー、羽生九段は抹茶を合わせた。
 店頭では8日以降、羊羹を買い求める客がひっきりなしに訪れ、午前中で完売する状況が続いている。4代目店主の伊藤光男さん(65)は「2人の対局が掛川で指されること自体、夢のようだった。召し上がってもらい本当に光栄。反響の大きさにも驚いている」と話す。
 店主1人が手仕事でつくっているため大量生産できず、予約や地方発送は受け付けていない。1892年創業の同店には火の羊羹のほかにも「家伝本かすてら」「黒黄金(くろがね)どらやき」などの看板商品がある。
 「和菓子のシンプルな美しさ、おいしさに目を向けてもらえたらうれしい」。伊藤さんは棋界を代表する2人に提供できたことを励みに、頭の中にある理想の和菓子の具体化に意欲を燃やしている。

 

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