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テーマ : スイーツ♡

シュワッと爽快、サイダーかん 富士の学校給食で愛され50年 高校生が改良挑戦

 富士市の学校給食で半世紀にわたり愛され続けている、サイダーを寒天で固めた冷たいデザート「サイダーかん」に富士らしさを新たに加えようと、同市の富士見高コミュニティ研究会が改良に挑んでいる。地元産の果物を使った試作品を作り、元栄養士でサイダーかん開発者の紺野祐子さん(84)からアドバイスを受けた。生徒たちは「富士の青春の味を広く発信したい」と、レシピの研究を重ねる。

紺野祐子さん(左)に試食した感想を聞く山崎恵美さん(中央)と渡辺佳央さん=8月上旬、富士市内
紺野祐子さん(左)に試食した感想を聞く山崎恵美さん(中央)と渡辺佳央さん=8月上旬、富士市内
サイダーかん
サイダーかん
紺野祐子さん(左)に試食した感想を聞く山崎恵美さん(中央)と渡辺佳央さん=8月上旬、富士市内
サイダーかん

 サイダーかんは、口に入れると炭酸の爽快感が広がる子どもたちに人気の逸品。市教育委員会によると、1960年代後半、吉原一中の栄養士だった紺野さんが給食で提供した事をきっかけに市内各校に広まった。
 地域貢献活動を展開する同研究会の生徒たちは、給食以外では市内のごく一部の飲食店だけで販売されている希少性に着目した。2年の山崎恵美さん(16)と渡辺佳央さん(17)は「富士の特産品を使えばサイダーかんの知名度が上がるかも」と思いつき、富士産のキウイやブルーベリーなどを使った計5種類を作った。果肉を入れたり果汁で着色したりと、試行錯誤が続く。同校地元の富士本町商店街のイベントで6月にも出品し市民の意見も集めている。
 試食した紺野さんの評価は「甘みが強すぎる。シュワシュワ感が弱い」と辛口。ただ、「サイダーかんに愛情を持って改良する意気込みがうれしい」と生徒の熱意に頬を緩める。食感を軽くするメレンゲを使うと見栄えも良くなるなどの秘訣(ひけつ)を伝授した。
 生徒は仕上がりを見極めた上で、各校の栄養士や市内の菓子店などにレシピを売り込む予定。山崎さんは「紺野さんを超える味を追究したい」と意気込む。

 <メモ>サイダーかん 開発者の紺野さんによると、「サイダー羊羹(ようかん)」の略称。富士市内の学校給食で夏季に2、3回提供している。時間がたつと炭酸が抜けてしまうため、各校の給食室で調理されることが多い。児童生徒による人気メニュー投票で上位に入る。近年は交流サイト(SNS)で紹介され、市教委によると都内の学校で提供されるなど話題になっている。

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