
7月2日午後、浜松市天竜区で、中部電力パワーグリッドの送電鉄塔建て替え工事のため資材を運んでいたヘリコプターから荷崩れ防止用の袋とネットが落下する事故がありました。けが人はいませんでした。国土交通省は重大インシデントに該当するとして、運輸安全委員会は航空事故調査官を現地に派遣し、事故が起きた状況や原因などについて調べることにしています。
国土交通省や中部電力パワーグリッドによりますと、2日午後0時20分頃、浜松市天竜区春野町豊岡で、新日本ヘリコプターの「アエロスパシアル式AS332L1型」が吊り下げて運んでいた足場用パイプの先端を覆う袋とネットが落下しました。事故当時、ヘリコプターは約500フィート上空を飛んでいて、落下した袋とネットは3.4キログラムほどでした。また、落下した現場は豊岡地区の山間部で、付近に民家などはなく、被害は確認されていないということです。
ヘリコプターは新日本ヘリコプターが運行し、浜松市天竜区春野町の山間部に設置した資材置き場から、同町内の山中で行っている送電鉄塔建て替え工事の現場に向けて飛行していたということです。
国土交通省は、航空法施行規則第166条の4第16号の物件を機体の外に装着し、つり下げ、又は曳航している航空機から、当該物件が意図せず落下し、又は緊急の操作として投下された事態であり、重大インシデントに該当するとして、運輸安全委員会から航空事故調査官2人を派遣し、事故が起きた状況などについて確認するとしています。
中部電力パワーグリッドと新日本ヘリコプターは「地域の方々をはじめ、多くのみなさまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。今後、行政はじめ、関係機関各所と調整を図りながら、適切な対応を行ってまいります」としています。
運輸安全委員会が公表した資料によりますと、同機は2023年7月には静岡市葵区で枕木を山林に落下させる重大インシデントを、2024年4月には静岡市葵区でダウンウォッシュにより作業員がけがをする航空事故を起こしています。