
旬を迎えた生のカツオの価格が静岡県内でも高騰しています。県内の主要な港での水揚げ量は減っていないものの、全国的な不漁が価格を上げているとみられています。
カツオの水揚げ量全国1位を誇る静岡県。店頭で安く買えておいしい「庶民の味方」に今、異変が起きています。
「御前崎海鮮なぶら市場」です。カツオを扱う「マルカイ」では価格の高騰に頭を悩ませています。
<マルカイ御前崎店鮮魚担当 伊藤光さん>
「地元(御前崎産)のカツオは、きょうは買えませんでした。高くてとてもうちでは買える値段ではありませんでした。やっぱりカツオは少ない。例年に比べて少し高い。お客さんには買いにくい値段になっていると思う」
この店では、例年1本2000円ほどで生のカツオを販売してきましたが、今は例年と比べて1.5倍ほどの金額をつける日が多いといいます。
カツオの価格高騰の背景にあるのが、全国的な不漁です。県の水産・海洋技術研究所などによりますと、暖かい黒潮の流れとともに北上するカツオが、2025年は水温が低いため北上が遅れているといいます。
静岡県内の主要な港に水揚げされる生のカツオの量は減っていないものの、セリでは全国の状況などが影響するため、価格の上昇につながっているとみられています。
御前崎のカツオを求めて訪れた人からは落胆の声が聞かれました。
<浜松市から来た利用客>
「思ったよりなくてがっかりしちゃったところ。本当は丸ごと1匹で御前崎産のものが欲しかったけど、構えてきたんですけどね」
<マルカイ御前崎店鮮魚担当 伊藤光さん>
「カツオが毎日、安く提供できるほうがうれしいので、そうなってくれることを願っています」
静岡県水産・海洋技術研究所によりますと、カツオの今後の水揚げ量や価格の動向については見通しが立っていないということです。