
校舎1階では、瓶をひっくり返した時に発生するガスでビー玉を押し上げる旧式の「反転式」と、ビー玉付きのキャップを瓶に打ち込む「打栓(だせん)式」の新旧二つの製造工程を公開する。2階は炭酸飲料の歴史や製法を学ぶ博物館の整備する計画。
グラウンドには駐車場のほかに、新たに製品直売所を設ける。大井川沿いの神座地区周辺で生産が盛んなかんきつ類などの地場産品も取り扱う。遊具を集約して活用するとともに、同校と交流があった故谷川俊太郎さんの詩碑を残すなど、学校の歴史や教育の歩みに触れられるようにする。
木村社長は「中小飲料メーカーによる工場見学はまれだと思う。SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも環境負荷の少ない瓶入り飲料は海外で見直されている」と強調する。
同校施設の利活用を巡っては市が24年度に公募型プロポーザル方式で民間事業者を選定し、5800万円で同社に譲渡する予定。本年度中に両者が事業協定を締結し、26年度末までに施設引き渡しの契約を締結する見通し。木村社長は「建築資材の高騰もあり、廃校舎の活用は中小企業が地方を盛り上げる手段になる」と抱負を語った。