
同センターは1908年に県立農事試験場茶業部として発足し、主に新品種の育成や栽培方法などの研究を手がけてきた。2020年度からは、市場ニーズの変化に対応するため、産官学の会員組織「ChaOIフォーラム」の提案を取り入れながらハード・ソフト両面の振興を図ってきた。
「ChaOI(チャ・オープンイノベーション)」は、茶の新たな価値創造に向けて県が進める事業。その中心施設となる新本館は鉄筋造り4階建て、延べ床面積約2800平方メートル。最新の分析機器や拝見施設のほか、大学や企業の研究者が常駐してセンター職員と共同研究するオープンラボを設置した。3月に全機器の導入が完了した新製品実験棟(ChaOIファクトリー)との連動性も高めた。
開所式には茶業や行政関係者ら約130人が参加。富士市で生産された新茶で乾杯し、船出を祝った。鈴木康友知事はあいさつで「英知を結集して、さまざまな取り組みを進め、本県茶業を持続的に発展させていきたい」と話した。