全国的に物価高騰とコメ不足が深刻な問題となっていますが、大きな影響を受けているのは、家庭だけではありません。食料を必要な人たちに届ける「フードバンク」もいま、ピンチを迎えています。
<しずてつストア末広店 杉山浩之店長>
「こちらはフードバンクと言って、缶に家で眠っている食材を回収しています」
「フードバンク」とは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を、必要としている人や福祉施設などに提供する活動です。しずてつストアでは県内にある全店舗で回収ボックスを設置しています。しかし…
<杉山店長>
「ここ1、2年の急激な物価高により、実感としては少し減っている」
多い時は、2週間で満杯になっていた回収ボックスも、今では1か月ほどかかるとのことです。静岡市に本部を置くNPO法人「フードバンクふじのくに」。物価高の影響で、支援の依頼が増えたといいます。

しかし、回収ボックスに寄贈される食品の量も減っており、支援がしにくいというのです。
<フードバンクふじのくに 望月健次事務局長>
Q.こちらはどういった場所か
「こちらが食品の倉庫になります。こちらに少しお米がありまして。もう少し前はいっぱいにお米が積み込まれていて、ここも所狭しと置かれていましたので、お米が少なくなっているなと肌で感じています」
特にコメ不足は、フードバンクの活動にも影を落としています。毎月1~2トンを必要としていますが、今では、提供できる量も少なくなってきています。
<望月事務局長>
「今は各世帯に渡すコメの量を少しずつ減らして提供している。細く長く提供するよう心掛けている」
このまま、コメ不足や物価高騰が続くと支援が行き届かなくなる可能性もあるといいます。
<望月事務局長>
「我々以外にも食品回収を行う団体が増えているので、回収の箱を見つけたら缶詰1つ、お菓子1つでも寄贈していただけると、ありがたい」
物価高騰、コメ不足の中で、フードバンクがいま岐路に立たされています。