
竹千代と呼ばれていた少年時代の、徳川家康にゆかりの神社が静岡駅近くにあります。
ビルに囲まれて佇む小梳神社(おぐしじんじゃ)は、静岡市内で最も歴史の古い神社のひとつ。小梳神社はかつて、現在の駿府城の中にあり、岡崎から駿府に送られた竹千代の住まいはこの神社の近くにあったといわれています。駿府で暮らし始めた竹千代は、その境内で遊んでいたかもしれません。
のちに、小梳神社は家康の孫の駿河大納言忠長(ただなが)によって、この地に移されて、駿府中心街の氏神となり、二年に一度のお祭りは大変にぎわいました。お祭りに際しては、もともと神社があり、その頃は城代屋敷になっていた所に神主が神さまをお迎えに行きました。今も毎月一度、境内で開かれるノミの市は、骨董好きの人でにぎわいます。
かつて今川の館のあった現在の駿府城公園から臨済寺へ向かう通り道にある若宮八幡宮も家康ゆかりの神社です。
境内で目を引く大楠は、樹齢1000年以上と伝えられる大楠。少年竹千代も、この大楠をみあげて、何をか思ったのかもしれません。大御所として駿府に戻ってきた家康は、鷹狩りの道中に度々ここに立ち寄り、江戸時代から駿河の巨木として知られた大楠の木陰で休息をとったと伝えられています。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。