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静岡新聞教育文化部

【静岡市美術館の「高畑勲展」】「書き文字」を見よ

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区の静岡市美術館で2024年3月31日まで開催中の「高畑勲展-日本のアニメーションに遺したもの」。「アルプスの少女ハイジ」「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」など数々のアニメ作品を手がけた高畑さんの「演出」がテーマ。

宮崎駿さんのレイアウト、山本二三さんの背景、近藤喜文さんの人物スケッチは確かに美しい。だが、本展の主役は明らかに「書き文字」だ。高畑さんの初監督作「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年)制作時の、脚本、作画、原画担当との、便せんに書きつけた文字の応酬、熱量を見よ。人物像、世界観をテキストで固めていく過程がとても興味深い。「絵を描かないアニメ監督」とも言われた高畑さんの本質が、すでにむき出しになっている。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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