【西野冬器さんの短篇小説「子宮の夢」】 比喩の一つ一つが「パンチライン」

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、文藝2023年冬季号に掲載の西野冬器さん(静岡県生まれ)の文藝賞短篇部門受賞作「子宮の夢」。

2007年生まれの西野さんが「小説家」として第一歩を刻んだ。「子宮投げ」という切実さと愉快さを併せ持つモチーフで始まる作品は、散文的な記述が徐々に物語のしっぽのようなものを獲得していく過程がユニーク。比喩の一つ一つが「パンチライン」的な強靭さを掴んでいる。ルー・リードら幅広い分野から引っぱり出した固有名詞の意図を探るのも楽しい。松田青子さんの評「一文一文をたどっていくことに喜びがあり」が言いえて妙。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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