【松井琢磨さんの小説「爛柯の宴」】 囲碁の沼に読者も引き込まれる

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市出身の作家松井琢磨さんの小説「爛柯の宴 上巻」。

金融業界で長く活躍し、現在もM&Aの会社を経営する著者による異色の「囲碁小説」。大手商社の新入社員、井山聡太(!)が囲碁の世界にずぶずぶとはまり込んでいく様子を超常現象的エピソードを交えて描く。この世とあの世を繋ぐ、面妖な囲碁サロンに集う猛者を凌ごうと、日夜半狂乱で囲碁の勉強に没頭する井山。読者はその姿に、底知れぬ沼のようなこの競技の本質を見る。軽いタッチの文体なのにある種の恐怖感が残るのは、作家の本意だろうか

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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