幸せにつながる「4つの因子」とは!? 親子で幸せになる方法

親子で幸せになるために

今回は「親子で幸せになる」をテーマに、「女性のための幸せ学」を研究・実践されている、EVOL株式会社代表取締役CEOで『最新の「幸せ研究」でわかった しなやかで強い子になる4つの心の育て方』著者の前野マドカさんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※9月29日にSBSラジオ「IPPO」で放送したものを編集しています。

牧野:まず、EVOL株式会社はどのような活動をされているのですか?

前野:私は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科付属システムデザイン・マネジメント研究所で、研究員として「幸せ」の研究をしています。その研究結果をプログラムにしたり、講演会でお話したり、書籍でみなさんにお知らせしたりする活動をしています。

牧野:前野さんも実際に子育てをされてきたんですよね。そのような中で「4つの因子」が「幸せ」には大事だと気がついたそうですが、それぞれ教えてください!

前野:ちょうど私が子育て真っただ中の時に、この研究結果がわかったんです。この「4つの因子」を少しでも高めていくことが幸せにつながっていきます。

「4つの因子」について

1.「やってみよう」因子

自己実現と成長の因子。自分がワクワクしてやりたいことをやる。いろんなことに挑戦する、夢や目標を持つなど、主体性が大事。

2.「ありがとう」因子

つながりと感謝の因子。人とつながったり感謝したりする人は幸福度が高いことがわかっており、多様な人とつながってチャレンジしていくことが大事。

3.「なんとかなる」因子

前向きと楽観の因子。自分のいい所も悪い所も含めて自分の事が好きだと受け入れる自己受容や、いろんなことに前向きに挑む事が大事。

4.「ありのままに」因子

独立と自分らしさの因子。自分らしさを出している人は幸せで、細かいことを気にしない、まさにありのままにいることが大事。

前野:これらは、日本人1500人に心的要因に関するアンケートをして、それを因子分析して導き出した結果になります。

牧野:話を聞いていると、「お金持ちである」とか「いいポジションについている」ということではないのですね?

前野:それらは人と比べられるものです。人と比べてしまうと心が本当の意味で穏やかでいい状態にはなりにくい傾向にあります。やはり人と比べられないものが、私たちの心を本当の意味で幸せに穏やかにしてくれます。

牧野:今回は「4つ因子」の中で、「なんとかなる」と「ありのままに」の心を育てる習慣について具体的に教えていただきます!

「なんとかなる」の心を育てる習慣

前野:子どもが何かにチャレンジする時、結果ではなく過程を褒める。頑張って結果が出なかったとしても「頑張っていることが偉いね」とか、「それが誰かの役に立つよ」と、やっていることを肯定するような声掛けができるといいなと思います。

牧野:子どもに対して「それはだめだ」「これをやりさない」が口癖になりつつあって、上手くポジティブな声掛けが出てこないのですが、何かコツはありますか?

前野:いつもの調子で「早く勉強しなさい!」など、何かネガティブなことを言ってしまったら、その後に「一緒にやってみようね」など、ポジティブな前向きな声掛けを3つくらい言うことです。ポジティブとネガティブは3:1の比率だと幸福度や充実度が高まるという研究結果があります。人は放っておくとネガティブな方へ引っ張られてしまうのでそれを覚えているんです。ですから、ネガティブなことを言ったり怒ってしまったら、その子のいい所を3つ言ってあげるといいです。

牧野:これは、子育てだけでなく上司から部下へなどいろいろなところで活用できそうですね。

「ありのままに」の心を育てる習慣

前野:その子が思った感情ややりたいことを応援してあげたいです。必ず人には「いい所」という強みがあるので、それが出るような声掛けをしたいです。何かがあった時に「これどう思う?」「どうしたい?」と聞くと、「僕は本当はこうしたかったんだ」とわかると思います。

なので、何か起こったことに対して「本当はこうした方がよかったじゃない」ではなく、その子の良さを引き出すために「どうしたかったか」を聞く。あとは、子どもが自分が嫌だったことを話したり、「こうしたかったんだ」と言っていたら、「そうしたかったのね」とそのままオウム返しすることで、子どもは自身の状態がわかると思います。

牧野:何かを選ぶ時に、意見を聞いてあげることが大事なんでしょうか?

前野:「どうしてこれを選んだのか」がわかると、親が望んでいることと違うことを選んだとしても、「そうだったからなんだ」と、その子のことがわかります。

牧野:これは、子どもだけでなく親の気持ちの部分もしっかり整えていかなければいけないんだなと、その重要性を感じますね。

前野:そうですね。幸せはうつるという研究結果があります。ネガティブなこともうつっていきますから、お子さんがいい状態に育っていって欲しいなら、まずは接している親御さんが自分自身を良い状態にすることがとても大切です。

牧野:親子で共に整えていくということなんですね。学校でも会社でも周囲に幸せな人がひとりいると、周囲もハッピーになっていく率が高まるんでしょうか?

前野:おっしゃる通りです。家庭でもとことん前向きな言動をするお母さんがいたら、お父さんや子どもたちはその言動にすごく影響を受けるので、「頑張ってみようかな」とか「自分のままでいいんだ」と思えるようになります。

牧野:幸福学に興味を持った方は、前野さんの著書『最新の「幸せ研究」でわかった しなやかで強い子になる4つの心の育て方』(あさ出版)を手に取って読んでみてください。今回は、ありがとうございました!
今回お話をうかがったのは……前野マドカさん
EVOL株式会社代表取締役CEO。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。IPPA(国際ポジティブ心理学協会)会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。システムデザイン・マネジメント学、幸福学の研究者である前野隆司の妻。愛とWell-Beingにあふれた世界を創るための研究と実践を行なっている。

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