【元気がない人必見！】言うだけで元気に気持ちが前向きになる魔法の言葉は「ぽーい」「わーい」「シャキッ！」

オノマトペ研究家藤野良孝さんに聞く「前向きになれるオノマトペ」

「前向きになれるオノマトペ」について、オノマトペ研究家で朝日大学教授の藤野良孝さんに、「鉄崎幹人のWASABI」パーソナリティの鉄崎幹人、SBSアナウンサーの堀葵衣が話を聞きました。藤野さんは、日々の暮らしの中で使われるさまざまなオノマトペの使用実態とその効果について、多角的に研究を行っています。

大谷翔平も実践。「シャー」は気合いが入るオノマトペ

鉄崎：改めてオノマトペとは何かを教えてください。

藤野：フランス語で擬音語と擬態語を包括した言葉です。例えば猫の鳴き声「ニャー」やパンがやわらかくふくらんでいる様を表す「フワフワ」などがオノマトペになります。声に出したり聞いたりするだけで魅力度がアップしたり、やる気が上がったり、爆発的な力がぐいぐい出るなど魔法のような力があります。

鉄崎：前向きな気持ちになれるという研究結果もあるんですよね。

藤野：メジャーリーグの大谷翔平選手が試合中に「シャー」という言葉を発する場面をよく耳にしたことがあると思いますが、これは気合いややる気を上げて気持ちを前向きにさせる効果が期待されています。以前、大学生のスポーツ選手14名に「シャー」というかけ声はどんな気持ちや感情のイメージがあるのか尋ねたところ、回答数の多い順に「気合いが入る」、「やる気が高まる」、「楽しくなる」という結果になりました。

鉄崎：どんな言葉より一言「シャー」と言う方がすごく気合いが入るね。

堀：「シャー！」。確かに力が入りますね。

藤野：「シャー」が出る時はドーパミンが平常時より出ている可能性が高いです。そのため元気になったり脳の機能が向上したりして、パフォーマンスが高くなり気持ちも前向きになります。

鉄崎：今日はどんなオノマトペを使うと前向きな気持ちになれるのか教えてください。

前向きな気持ちになれるオノマトペ3選

1.「ぽーい」

藤野：ゴミを捨てる時に無言ではなく「ぽーい」と言いながら捨ててください。無言で捨てるよりもすっきりと明るい気持ちになれます。

大学生25名に紙を丸めたゴミをゴミ箱へ無言で捨てる場合と、「ぽーい」と言って捨てるのと2パターンを実践してもらい、すっきりしたか、明るい気持ちになったかを5段階で評価してもらいました。数字が1に向かうほどマイナス評価、5に向かうほどプラス評価になります。「すっきりしましたか」という問いに「無言」が平均2.24に対して「ぽーい」が平均3.96、「明るい気持ちになりましたか」という問いに関しては「無言」が平均1.72で「ぽーい」が4.12でした。

鉄崎：全然結果が違うじゃん！

藤野：そうなんです。「ぽーい」と言って捨てた方がすっきり明るい気持ちになることがデータから分かったんです。

鉄崎：ゴミを捨てる時はこれから「ぽーい」と言おう！

堀：かわいらしい響きですね。

藤野：では堀さん、僕をゴミ箱に見立ててゴミをこっちへ投げてみてください。

堀：「ぽーい！」。楽しい（笑）。ゲーム感覚のようで、ごみ捨てが急に遊びのようです。

2.「わーい」

鉄崎：これは分かりやすいですね。

藤野：ささやかなことでも「わーい」と大きな声を出すと、副交感神経が優位になって自律神経が安定することが期待できます。「わーい」のようなポジティブな感情にはネガティブな感情によって高まったイヤな気持ちや自律神経の高まりを早く戻す働きがあることは海外などの研究でも分かっています。

例えばおいしいハンバーグを食べた時に「わーい」と喜んだり、サプライズのプレゼントをもらった時に「わーい」と歓喜するなど。ささやかなことでもポジティブな感情をしっかり出すことがおすすめですね。

鉄崎：ではこちらも実践します。「今日、藤野先生から『つけてみそかけてみそ』をもらいました！」

堀：「わーい。うれしい！ありがとうございます。わーい」

鉄崎：あげた方もうれしいですね。

堀：「鉄崎さん、還暦おめでとうございます。名古屋味噌、藤野先生からのプレゼントです」

鉄崎：「うわーい。赤味噌だー。うわーい！」

堀：（笑）。楽しいです！

鉄崎：誰も不幸にならない言葉ですね。

3.「シャキッ！」

藤野：使い方はすごく簡単です。両手で、握りこぶしを作って脇を締め、「シャキッ！」というオノマトペに合わせてポーズを取るだけです。人の心と体は密接に関係していて、後ろ向きな気分だと前かがみの姿勢になり、前向きな気分だと姿勢もまっすぐになります。マイナス思考を変えるためには常に姿勢を修正する意識を持つことが大切です。「シャキッ！」というオノマトペを活用することで背筋が伸び、表情もいきいきしてきます。それでは3人で「シャキッ！」をやってみましょう。

鉄崎：「今週もWASABIに授業に頑張りましょう。いきますよ、せーの」

鉄崎・堀・藤野：「シャキッ！」

堀：スイッチが入った気がします。

鉄崎：とにかく力いっぱいやった方がいいですね。では今教わった前向きになれるオノマトペを使ってWASABIの番組ジングルを作ってみましょう!! ギターを弾きながら紹介しますよ。

鉄崎：嫌な気持ちは「ぽぽいのぽーい」〜♫

堀：今日も「シャキシャキ」〜♪

藤野：鉄崎幹人の「わーい」〜♫

一同：「WASABI」わはははははは（笑）。

鉄崎：いいんじゃない!? 最後にリスナーのメッセージをお願いします。

藤野：「わーい」と楽しい時間をありがとございました「シャキッ！」と「ぽーい」を意識してポジティブにお過ごしください。

※2024年5月14日にSBSラジオWASABIで放送したものを編集しています。

今回お話をうかがったのは……藤野良孝さん

オノマトペ研究者。博士（学術）。絵本専門士。
朝日大学教授。早稲田大学オープンカレッジ講師。スポーツ、ビジネス、料理、子育て、絵本、日常生活などで使われるさまざまなオノマトペの使用実態とその効果について多角的に研究している。著書に『毎日の生活が楽しくなる「声の魔法」１巻～３巻』（くもん出版）など多数。