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この冬は「冬型の気圧配置が強まる」ってどうなる? 気象予報士に聞く

今回は、この冬の天気について、気象予報士の山根悠介さんに、パーソナリティの鉄崎幹人、SBSアナウンサー堀葵衣がお話をうかがいました。
※12月20日にSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で放送したものを編集しています。

「ラニーニャ現象」の影響続く

山根:気象庁の3か月予報(2022年12月〜2023年2月)によると、西高東低の「冬型の気圧配置」が強い傾向にあります。気温は、場所によって平年よりも低めとなります。今年は「ラニーニャ現象」が続いています。日本からかなり離れた太平洋赤道域の東の海面の温度が平年より低い状態です。そうなると、冬の日本の天気は、気温が低くなったり、北陸や東北で雪が多くなったりする傾向が強く出てきます。

鉄崎:ラニーニャの影響ね。

堀:遠く離れた地域の海水温が低いことで、日本の冬が寒くなるんですね。

山根:東太平洋の赤道上の海の温度が、その西にあるインドネシア付近の海の状況や気象に影響を与え、巡り巡って日本付近の気象状況に影響を及ぼします。

鉄崎:雪かきが大変な人は「ラニーニャめえ」ってなるんですね。

堀:「ラニーニャ」って言いたくなりますね(笑)。

「西高東低の気圧配置」とは?

堀:天気予報などでも聞く「西高東低の気圧配置」あらためて解説をお願いできますか?

山根:「西高東低の冬型」は、中学理科の授業で出てきます。西の気圧が高くて東の気圧が低いという意味です。日本から見て西は大陸の方ですね。シベリアあたりで冬に気温が下がってきますと、そこに高気圧ができます。一方で、日本の東側、海の気圧は大陸と比べると低くなります。基本的に気圧が高い方から低い方へ風が吹く特徴があるので、冷たい大陸から日本列島の方に風が吹きます。

堀:日本列島に冷たい風が吹きやすいんですね。

山根:日本の西にある大陸の気圧が高くなって、日本の東にある海側との気圧差が大きくなるのを「西高東低の気圧配置が強まる」と言います。気圧の差が大きくなると、風も強くなります。

「放射冷却」に気をつけるのはどんな日?

堀:晴れた夜の翌朝にかけて、気温下がりますよね。

山根:「放射冷却」と言って、地面が熱を失って冷えます。夜に晴れていて風が弱い時は、放射冷却が強くなります。地面からはいつも目に見えない赤外線が出ていて、熱を失っているんです。キャンプで燃えた炭に手をかざすと暖かいですよね。あの炭からも赤外線が出ています。

夜は太陽からの光と熱が届かず、地面から赤外線が出るので熱を失う一方となります。雲があれば地面から出た赤外線を雲が受け取って赤外線を出し、その赤外線を地面が吸収して暖まるので、それほど地面が冷えないんです。雲がないと地面は熱を失うばかりになって冷えます。

堀:雲が蓋して保温してくれるような感じですか。

山根:また、夜中に風が吹いていれば、上の暖かい空気と下の冷たい空気をかき混ぜたりして、温度の下がる幅が小さくなります。風がないと地面付近に冷たい空気がたまりっぱなしになります。その状態が夜の間ずっと続くと、明け方ぐらいにガクッと気温が下がります。

この冬、日本海側の雪に警戒

鉄崎:新潟の大雪、大変ですけども、この冬はあんな感じになりそうですか?

山根:ラニーニャ現象がベースにあって、典型的な冬型の気圧配置が強まる傾向強いかなと思います。北陸や日本海側は、雪に警戒したほうがいいですね。

鉄崎:12月でこれだから、1月・2月は大変ですね。

寝室を暖かく

鉄崎:冬の天気予報を通して、普段の生活の中で気をつけたほうがいいことはありますか?

山根:繰り返しになりますが、晴れた夜で風があまりない時は、放射冷却で気温が下がりやすいです。そうすると、朝方・夜明け前にガクッと気温が下がります。気温が下がると身体にかなり負担がかかり、免疫が落ちて風邪を引きやすくなりますし、気温の変化があると心臓や血管、脳の負担が大きいと思います。

放射冷却が強くなるような気象状況の場合は、部屋を暖かくするなどして、寝室の温度の変化がなるべくないように対策していただきたいです。
 

バングラデシュで気象観測データを取得する山根さん


今回、お話をうかがったのは……山根悠介さん
1977年生まれ。大阪府出身、静岡市清水区在住。常葉大学教育学部准教授。専門分野は気象学、自然災害科学、地学教育。2013年(平成25年)3月に気象予報士の資格を取得。

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