「みんなが幸せになるために」子どもたちの居場所を仮想空間に 放課後のオンライン学習スペース 元教員の夫婦が展開

今、共働きの家庭の増加により、放課後の子どもたちの居場所づくりが課題となっています。こうした中、静岡県藤枝市の元教員の夫婦が放課後にオンラインで参加できる学習スペースを展開しています。

「ただいま!」

静岡県焼津市に住む小学5年生のりつきさんです。帰宅してすぐ、向かったのはー

<森亜矢子さん>
「りつきさん、こんにちは!きょう学校でどんなことありましたか?」

<りつきさん>
「特におもしろかった授業は、社会ですかね」

<森さん>
「お、得意な社会ね」

オンラインで参加できる放課後の学習スペースです。午後3時から宿題やミニ授業に取り組み自由時間や参加者同士の交流もあります。

運営するのは元小学校教員の夫婦、速見和司さんと妻の森亜矢子さんです。2025年、教育支援事業を行う「peaceful days」を立ち上げました。学習スペースでは仮想空間「メタバース」を活用しています。

<速見和司さん>
「今は、私たちスタッフがここ、ソファの席にスタンバイしている状況。ほかにも3人ほど生徒がいるんですけど、この子たちはもう宿題が終わって、私たちの確認も終わった後なので、各々に自分の好きなところにアイコンを置いて、今はそれぞれの自宅で自分の好きなことをやっている」

近年、共働きの家庭の増加により放課後児童クラブに登録している児童は2024年は約151万人と過去最多を更新。一方、利用できない待機児童は約1万7000人にのぼり放課後の居場所づくりが課題となっています。(2024年5月1日時点 )

<母親>
「放課後1人で家にいることに不安があったので、オンラインで見守っていただけるのはすごくありがたい。楽しそうに過ごしているので、入って良かった」

「スタート!」

国語のミニ授業では頭文字に「し」のつく言葉を参加者同士で出し合います。

<速見さん>
「速見先生は、最初に出てきた、りつきさんの『獅子舞』」「すごい」「一番、最初に獅子舞が出てきたのがすごいと思ったんだけど、みんなそう思わない?」

授業では、褒めることを意識し子どもたちの自己肯定感を高めていくことを大切にしています。

<りつきさん>
「スペースに入ってから、字うまいね、とか言われるようになった、歴史が詳しいことに凄いねとか言われたことが本当にうれしかった。自分に自信がついたというか」

<森さん>
「お母さんはずっと付き添っている感じ?」

<保護者>
「そうですね、教室の後ろの方で付き添っている」

森さんは、教員経験や公認心理師などの知識を生かし、保護者に対してのカウンセリングも行っています。

<森さん>
「悩みを持った方は、私たちに関わって、それをクリアして、解決して、より良い状態になっていく姿を目の当たりにできたり、成長していく姿を見られることがすごくうれしい」

<速見さん>
「みんなが幸せになるために、困っている人、不安がある人たちに手を差し伸べたい」

「peaceful space」では、7月下旬から夏休みに特化したプランを開催し、宿題や自由研究などをサポートしていくということです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

関連タグ

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1