自宅で海外留学!? 今こそ「オンライン留学」のススメ

日本にいながら世界中の人がクラスメイトに!

今回は「オンライン留学」の話題です。なんとなく想像がつく感じはしますが、新型コロナウイルスが世界中で流行し、海外に行くことが難しくなったので、「オンラインで留学しよう」ということなんです。詳しい話を、株式会社留学ソムリエ代表取締役の大川彰一さんにうかがいます。
※9月15日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
留学
牧野アナ:大川さんは京都市ご出身で、大学時代にバックパッカーとしてヨーロッパやアメリカを旅されたご経験もある方。大手留学エージェントのチーフカウンセラーとして1000名以上の留学に関わられ、その後、アメリカの教育NPOで海外インターンシップや国際協力プログラムの開発にも関わってこられました。現在は「留学ソムリエ」として、国際教育事業コンサルティングや東洋経済オンラインなどで、留学に関する情報を幅広く発信されています。

「オンライン留学」とはどんな留学ですか?

大川さん:ひとことでいえば、実際の海外に行き、現地で受ける授業とほぼ同じ内容を、オンラインで学生に提供するのが「オンライン留学」です。2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って海外への渡航が難しくなりました。そこで主に英語圏を中心とした海外の教育機関などが急ピッチで「オンライン留学」を作っています。今、大学生を中心に広がり、高校生、社会人にまで浸透してきています。

牧野アナ:オンラインで学ぶという意味では、最近オンライン英会話などもありますが、違うものなのでしょうか?

大川さん:よく間違われますが、違います。簡単にいえばオンライン英会話は、オンラインでフィリピン人などの講師に学ぶマンツーマン英会話レッスンです。「オンライン留学」の場合は、クラスメイトがいたり、放課後にアクティビティがあったりと授業以外でも海外留学と同様のカリキュラムがあり体験ができるんです。

牧野アナ:クラスメイトがいるということは、外国人が横にいる感じですか?

大川さん:日本人もいる場合もありますが、世界のさまざまな国の人が参加しているので、世界中の人がクラスメイトにいるという感じです。

オンライン留学のメリットは?

大川さん:やはり、派遣型・対面型の留学と比べるとコスパがいいです。移動もなくパソコンとネット環境さえあればどこでも受けることができるので、時間や移動コストなどの費用も抑えられます。

牧野アナ:具体的に「オンライン留学」の費用はどのくらいですか?

大川さん:一般的な語学学校の場合で、大学生を想定して1日5時間くらいフルタイムで受けると、授業料が1週間で2万5000円くらい。入学金は1万5000円くらいなので、1週間あたり約4万円程度だと思います。

牧野アナ:普通の留学に比べるとかなり安いですか?

大川さん:授業料に関して、めちゃくちゃ安いとはいきませんが、一般的な対面授業に比べると、低価格に設定されているところがほとんどです。ただ、半額までいかないところが多いのには理由があります。カリキュラムやコンテンツに関しては、対面の学校とほぼ同じ効果が得られるという自信をもっているからなんです。

牧野アナ:質は保証されていると思っていいですね。大学生と社会人ではオンライン留学の予算も変わってきますか?

大川さん:社会人の場合は、やはり朝や夜などの隙間時間を使って、1日3時間くらい学ぶ人が多いので、だいたい1週間2万円くらいが平均かなと思います。入学金を足して3万5000円くらい。ただし学校やコースによって費用は変わります(例えば、エグゼクティブコースなどビジネス向けのコースだと逆に費用が上がる例もあります)。
 
学生に比べて時間が短い分、多少費用が下がってくる場合が多いですね。

牧野アナ:日本で勤務しながら、海外の学校の授業に参加できて、しかも安く学べる。新しい選択肢にもなりそうですね。

大川さん:時間を有効活用して学べるので、これまでにない動きです。

日本人に向いている!?

牧野アナ:ほかにも「オンライン留学」のメリットはありますか?

大川さん:実際に受講してみて、日本人にはあっていると思いました。例えばライブで授業を受ける場合、「今日はSDGsについて話しましょう」など急に話題がふられる場合が多いです。オンラインの場合は、事前、事後学習でしっかりカリキュラムが組まれていますので、予習・復習がしやすく設計されているというメリットがあります。

牧野アナ:活発な外国人の人たちのなかでも、意見を予習しておけばしっかり対応できそうですね。

大川さん:気押されずに発言できますので、そういう意味では日本の学生や社会人にもあっていると思います。欧米では特にICT教育が進んでいますので、10年以上前からシステムが構築されています。先生も教え慣れていますし、オンラインプラットフォームの質も向上しているので、質も担保されているところはあります。

「オンライン留学」はどんな人におすすめ?

大川さん:留学に行きたいけど、費用や時間の関係で行けなかった人には、ほぼ同じ内容の授業をオンラインで受けることができるのでおすすめです。海外留学の事前学習としても、これまで現地の語学学校へ行かなくてはいけなかったのが、オンラインで学べればその分の費用も節減できますので、おすすめです。

牧野アナ:家にいながら、家族と接しながら海外にいるような感覚も得られるということですよね。

大川さん:かなり臨場感がありますね。

オンライン留学の申し込みは?

大川さん:学生の場合は、自分が所属する学校の英語の先生や国際センターに聞くと、学校が関係しているおすすめのプログラムを紹介してもらえると思います。社会人の場合は、留学エージェントが扱っています。海外送金など個人では手続きが難しい面もあるので、トライアルコースを無料で受けてから検討されるのをおすすめします。

牧野アナ:行ってから、「失敗した!」「ここに入るんじゃなかった!」などのリスクも減らされていると思っていいですよね?

大川さん:はい。そのとおりです。

牧野アナ:大川さんも実際にオンライン留学をされた経験があるんですよね。いかがでしたか?

大川さん:取材の意味もあって、2020年4月に世界的なグループの語学学校を2校くらい受講しました。あとは、私が駐日代表を務めているオーストラリアの州立カレッジの授業もいろいろ受けたりしていました。

牧野アナ:クラスメイトと話したり、雑談するような時間もありますか?

大川さん:それが結構あったんですよ。実は、正直なところ最初はあまり期待していませんでした。派遣型の留学に比べて劣るのではないと危惧していましたが、実際に受けてみると、話をする時間もあるし、授業でも仲良くなったり、わりと交流があったので、リアルの留学に印象が近くて面白いなと思いました。

新型コロナが収束しても、「オンライン留学」は生き残っていく?

大川さん:難しい質問ですが、個人としては「オンライン留学」は間違いなく生き残っていくと思います。なぜなら、留学の代替というよりも「新しい時代にあった学習方法」という感じがしていて、留学が復活した後も、参加者のニーズに合わせて住み分けされていくのだと思います。

牧野アナ:企業では働きかた改革が進んでいるといわれていますが、学びかた改革も進んでいるのですね! 最後にメッセージをお願いします!

大川さん:2021年も困難な状況ではありますが、「オンライン留学」は昨年よりもさらに種類も増え、進化してまさに旬の時期を迎えています。海外の授業を自宅で受けることができる手軽さもありますので、ぜひ、興味のあるすべての人に「オンライン留学」にチャレンジしてほしいなと思います。
今回、お話をうかがったのは……大川彰一さん
株式会社留学ソムリエ代表取締役、TAFE Queensland駐日代表、日本認定留学カウンセラー協会(JACSAC)幹事。「留学ソムリエ®︎」として国際教育事業コンサルティングや留学に関する情報発信を広く行う。全国の大学や高校、留学イベントでの講演実績は多数。東洋経済オンラインレギュラー執筆中。著書に『オトナ留学のススメ 成功する人はなぜ海外で学び直すのか』(辰巳出版)。
 

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